過去ログ - 男「また、あした」
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56:>>1[saga]
2011/04/01(金) 21:03:07.03 ID:OpoHLyR10
 翌日。
教室に冬森さんはいたのだが、どうにも暗く沈んでいるように見えた。
そのせいでなかなか話しかけることができず、春野さんも少し困ったように僕に話す。

「ごめんなさい。こればっかりは、私も力になれない。夏原君もね」
「一応は、同じ部員なんだがな。何もできない、か。歯がゆいな」
「あの、冬森さんは一体?」
「本人に聞くのが一番ね。放課後、部活に誘う感じで話してみたら? 私は離れているわ」
「なら俺も秋川とはやや距離を置いたほうがいいだろう。あの様子なら多分参加したがらないだろうから、昇降口で待つことにする」
「わかった。そうしてみるよ。ありがとう、二人とも」

クラスは文化祭の話でもちきりだった。
八木東高校の文化祭はやや特殊で、夏休み明けに大した間を置かないのと、クラスでやるものはなく、各種部活動で何かをやるという形式である。
部活に入っていない人は、やりたいんだったらどこかしらの所に参加するという感じだ。
完全にただ見て回るだけの人も勿論いる。開催は今週の日曜、7日。予定ならばもう絵本は印刷待ちという段階なのだが、まだ製作段階にいる。
これは、マズい。とてもマズい。焦燥感は日にちに増して僕を苦しめる。
冬森さんもそれは同様のハズで、お話ができていないというのが余計苦しめているハズだ。
どうにか、しなければ。でも、僕に何ができるんだろう? 彼女にとって僕はなんだ? 僕にとって彼女はなんだ?



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