69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2011/04/01(金) 13:46:22.34 ID:YZbjmkcXo
少女「じゃあ訊きますけど、たった今犠牲になった人間はその事を知っていましたか? 勇者の使命の為に我が身を投げ出すと誓った?」
後輩「……」
少女「魔王軍のみんなは自らの犠牲を厭わずに私の、ううん、魔族の目的を果たすって誓ってるの。当然私もその中に居るわ。貴女や勇者みたいに何も知らない、何の罪もない同胞を無造作に殺す事なんてしない」
少女友「少女……」
少女「ごめんね、少女友ちゃん。私はやっぱり人間の敵なの。だから無理強いはしない。少女友ちゃんが思ったようにしてくれれば良いよ」
少女友「……」
少女「でも、これだけは約束する。私は無益な殺生はする気はないの。人間界を制圧するって言っても皆殺しにしようだなんて思ってない」
少女友「どういう、事?」
少女「人間は魔族に管理されるべきなの。でないと人間は増長して、互いに憎しみ合い、結局殺しあう運命にある」
後輩「詭弁です! 魔族こそ汚らわしい象徴ではないですか!」
少女「貴女は魔族の何を知っているの? 魂の鎖に縛られ、そこに刻まれた事しかなぞっていないのに」
後輩「そっ、そんな事ないっ!!」
少女「私は魂の鎖に頼ったりなんてしてないわ。この半年間、魔族だけじゃなくて魔物、怪物に至るまで全部の事を勉強して、できるだけみんなと話し合って、その結果として人間界への侵攻を自分で決断したわ。魂の鎖に引っ張られたんじゃないってちゃんと言える」
後輩「だっ、黙れっ!!」ボボボボボボボボッ
少女友「火の玉!?」
少女「だから無駄だってば」シュォンッ
後輩「氷の礫っ!!」バババババッ
少女「私を攻撃するっていう事は私の傍に居る少女友ちゃんも攻撃する意思があるっていう事?」
後輩「魔族に切り札を取られるくらいなら、私が殺します!」
少女「だってさ、少女友ちゃん」
後輩「っ」
少女友「さっきから犠牲がどうこう言ってるから十分わかってるわよ。少年のヤローがどう考えてるのかはまだわかんないけど、この子は人の命なんて大して重要に思ってないんだろうなってね」
後輩「そんなことないです! 私も勇者様も人類を救うという使命を!」
少女「使命や運命っていう言葉に踊らされて有頂天になってるだけっていうのがわからない?」
後輩「私は、私の使命は貴女を倒して人類を守る事です!」
少女「自分の判断じゃないでしょ? その想いは前の勇者と一緒に旅をして前魔王を倒した女賢者の執念。ううん、歴代賢者達の思念が刻み込まれた魂の鎖がそうさせているのよ」
後輩「そんな事はない! 私のこの気持ちは私の物なの! 勇者様を想う気持ちも全部!」
少女「……そう。わかったわ」
少女友「少女、あんたまだ……」
少女「えへへ。ちょっとだけ、ね」ニコッ
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