過去ログ - 騎士見習い「もう疲れたよ……」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 23:02:59.58 ID:9b91y1IMo

「クビって、そりゃ一体どういうことだ!」

 執務室に怒声と机を叩く音が響いた。
 ウィリアムはぎょっとしたが、それらの主である相棒は気付かなかったようだった。
 もっとも気付いたとしても無視していただろうが。

「決まりは決まりだ」

 ほんの少しの間を空けて、低い、落ち着いた声がそれに答えた。
 相棒が叩いた机。声はその机に着いた三十代前半の男のものだ。

「君たちも理解できないわけではないだろう」

 声にはその男だからこその重みがあった。歴戦の戦士が持つ気迫だ。
 ウィリアムはその声に恐怖した。相棒の怒気もわずかに後退した気配がある。
 それでも引き下がる様子はなかったが。

 存外広くない執務室。そこには四人の人間がいた。
 一人はいまだ怒りを隠しもしないオルトロック。その隣にウィリアム。
 机を挟んで対面側にもう二人。剣の王国が誇る騎士団のトップ、騎士団長。そして彼を補佐する副官だ。



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