31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/02(土) 20:37:43.01 ID:rVhEFPKqo
へたり込んだ、小柄で華奢な身体が震えている。
着ている白い簡素なネグリジェでは確かに寒そうだが、そのせいではないだろう。
ウィリアムは同情を覚えた。相棒がかなりきつい尋問をしたことは想像に難くない。
と、オルトロックが口を開く。
「だまされるなよ」
言って示す背後の扉は、先ほどの炎でまんべんなく黒く煤けていた。
焼け落ちはしていないものの、人間がまともに喰らっていれば大火傷だったろう。
少女が物陰から放った魔術の炎によるものだ。
「見かけによらず“ああいうこと”をするのに躊躇しない奴なんだよ、こいつはな」
彼は右手に持った少女に剣を突き付けて、突如声を張り上げた。
「もう一度名前を言え!」
「ク、クリア……」
震えの度合いを一段階上げて少女が答える。
「なぜ俺たちを襲った! 言ってみろ!」
「物音と、話声がして……こ、怖かったから……」
「ほらな、こいつはただ怖いって理由だけであれをぶっ放す、すっばらしい判断力をお持ちってわけだ」
「はあ」
生返事しながらもウィリアムは疑問に思った。
「君は、僕たちが騎士団所属って分からなかったってこと?」
「騎士団……?」
(……?)
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