4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:55:08.95 ID:9b91y1IMo
周囲には緑しかなかった。暗く淀んだ新緑のカーテン。そして靄が出始めている。
そして寒い。この時期の山中では体温を奪われた上での衰弱死は珍しくない。
「そう、珍しくない」
相棒は再び前を向いていた。それでも声だけはこちらに届く。
「だから道に迷うことだけは避けたかったんだ」
でも、と思う。地図を預かって進路を設定するのはウィリアムの役目だったのだ。
それに口出ししてきたオルトロック、つまり相棒にも非が――
「ない」
「……でも」
「余計な口出しを含めて最終的な進路決定をするのはお前の役目だろ」
「……」
口をつぐむしかなかった。
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