過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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925:[saga]
2012/04/04(水) 14:31:34.70 ID:+IlzdyW5o

突然、私は頬を張られるのかと思って身をすくめた。実際には両手で私の肩をつかんで、背にした壁に叩きつけただけ。
しかし、背骨に再び走る激痛に、私は一瞬硬直して息が止まった。まどかはそれには気付いていない様だった。

魔まどか「言っておくけど、同情してるわけじゃないからね……」

ほむら「じゃ、じゃあ、死ねって言いなさいよ……」

魔まどか「………………言うわけないでしょ?」

顔を上げると、まどかの顔が私の目線の高さにあった。手を伸ばせば抱きしめられる距離だった。
私の前で膝をついたまどかの瞳が、雨上がりの路面のように湿っているのだった。
今ここでまどかに手を下してもらえたら一番いいと思った。二度考えて、やはりこれは最高の思いつきだと思った。
そういえば、私は一度まどかを殺したことがあるんだし、自分にもその権利があるのではないかと思った。

しかし、まどかは顔を硬くして否定する。

声に涙が浸み込んで、まどかは私を揺さぶりながら、早口でまくし立てる。
私はまどかから目を背けた。背けてしまってから後悔した……。

魔まどか「……何も知らないくせにっ、軽々しくっ、死にたいだなんて言わないでっ」

魔まどか「死ぬの、怖いんだよ? 毎晩泣いちゃうくらい、怖いんだよ? 消えるって分かってて、生き続けるなんてっ!」

魔まどか「私は……あなたと……あなたが……約束したのに……!」

まどかの握力が強まってきたけれど、私は変な意地が湧いてきて、顔を戻す気にならなかった。
消滅を前にしたまどかと一緒にいてあげられなかったことは、すでに反省して謝ったはず……なのに。
私が帰宅したときにはいつも眠りに落ちていたまどかが、実は毎晩ベッドで震えていたのだと思うと、罪悪感で気が重くなった。

しかし、私の口はそこまで素直には動かなかった。
私の口から出てくる言葉は、そういう気持ちとは似ても似つかなかった。

ほむら「そうは言うけれど……じゃあ、あなたはどうして死にたいの?」

ほむら「あなたには、みんなを救う理想があったはずじゃなかったかしら?」


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