過去ログ - 黒夜「『アイテム』」
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73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:29:58.81 ID:DKC7aKRx0
頭を思いっきり振って無理やり気持ちを高揚させ、ちょっとばかし重たくなった腕で運転席のドアを開ける。研究所以外何もないその光景に虚しさを覚えた。

浜面「……こういうのを胸に穴がぽっかり開いた感じって言うんだろうな」

何かが足りない。埋め合わせるように詰めていた幻想の蓋が緩んでから、なにもかもが自分から流れて行く気がしてならない。
以下略



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:30:56.06 ID:DKC7aKRx0
若干色々と申し訳なく思ったが、盗難車に残された携帯を特にいじる気にもならないので、バイブレーションが起きているまま助手席に投げ出す。

その衝撃なのか携帯が通話モードに切り替わり、スピーカーフォン設定だったらしく甲高い女の声が聞こえてきた。

電話の女『オーイ!下っ端聞こえてるかーー。返事しろーい』
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75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:31:39.25 ID:DKC7aKRx0
電話の女『うるさいなぁー。そんなんだと一生童貞だぞっ!』

浜面「がっつく男が童貞と何故決め付けるッ!…………否定はしないけどな」

彼女を作らないのではない、作れないのだ。心の奥底に眠るべき浜面の本音である。
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76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:32:31.68 ID:DKC7aKRx0
電話の女『蒸気機関車地下研究所に絹旗を乗せて行った下っ端が死んだらしい。連絡がつかない』

浜面「……当たりがそっちだった訳か。俺的にはハズレだけどよ。それで、俺は何をすれば良いんだ? 電話してきたからには何かやらせるんだろ」

電話の女『あー、うん!とりあえず、総合極真空管研究所の正門に向かって止めてる車を反対向きにしなさいッ』
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77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:33:20.75 ID:DKC7aKRx0
電話の女『本題ってよりもさ、専門商人って分かるでしょー? 武装集団やら警備員とかにも銃を販売していたらしいからさ!』

浜面「……あぁ。アイツがどうしたんだよ?会わせろよって言われても無理だぞ、勝手にあっちが接触して来てたんだから」

電話の女『お別れは言えないのが普通なのかもね。私が伝えるべき事はそれだけだ!』
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78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:34:03.98 ID:DKC7aKRx0
電話の女『後ろ見な』

通話の切断音が聞こえ、わずかに間をおくと我に返ったように常に開けぱっなしの窓から後ろというか、研究所を視界に入れる。

黒夜が走って研究所から飛び出してきた。能力を発動しているようで、地面がガリガリと削り取られていた。そんな無鉄砲な彼女が発した言葉は、
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79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:35:06.09 ID:DKC7aKRx0
黒夜「……ふう、変われ浜面。私がこの状態で運転するのには無理があるだろう?」

浜面「ざっけんな!なんでそんな冷静なんだよォォォォォオオオ!!死ぬわバキッャロゥ!俺はオープンカーなんか望んだつもりはねえぞ!」

叫びながらもキッチリ運転を交代すると、先ほどのカモメをイメージしたようなタクシーが道路の脇を走っていた。
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80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:36:15.69 ID:DKC7aKRx0
うまく弾かれた相手の拳銃が道端に転がっていく。チィ! と舌打ちするカーレースプレイヤー。フロントガラスが砕け散っているおかげで難なく手首を狙えたのだ。

壊れていなければそれほど危険じゃなかったような気もするが。優雅に立ち振る舞う黒夜に皮肉を込め、褒め言葉を搾り出す。

浜面「とんでもねえな、お前」
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81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:38:01.64 ID:DKC7aKRx0
浜面(なっ!こっっんなせっまいところで……ッ!止まるんじゃねぇぇぇええええええ!!)

乗用車(いまやオープンカー)のケツを滑らせ距離を稼ぎながら、自分の方の扉をタクシーに当てるようにブレーキを最大まで踏み込む。

ゴムが擦り切れる音と匂いに包まれながらも、結構余裕を持って駐車することができた。
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りしました[sage saga]
2011/04/07(木) 01:39:27.49 ID:DKC7aKRx0

絹旗「反対に降りてください!!」

どこか幼い声が前のタクシーより聞こえた。そちらに何らかの反応をする寸前、黒夜によって胸元を掴まれ浜面は開けはねられた扉より脱出。

以下略



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