過去ログ - 明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜
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ちり紙
◆B/tbuP0Myc
[sage]
2011/04/03(日) 01:25:43.63 ID:8GUEOo26o
☆
――魔法少女と魔女との戦いを目撃してから数日後。
夕焼けの中、芳文は一人街中を当てもなくふらふらと歩いていた。
(……今日も、あの子達は魔女退治をしているんだろうか)
いくら魔法少女とはいえ、女の子だけをあんな化け物と戦わせ、事情を知った男の自分が見て見ぬふりをする。芳文は無性に自分自身が情けなくなった。
(……本当に、俺には何も出来ないのか)
無力な自分が情けない。不意に芳文の脳裏に幼い少女の泣き顔がよぎる。
(あの時と同じか……。我ながら情けないな)
無力感に苛まされながら、歩いていると横から小さくて暖かい何かがぶつかってきた。
「っ!? まどかちゃん!?」
芳文にぶつかってきたのはまどかだった。泣きそうな顔で、息を切らせている。
「どうしたの!?」
まどかの尋常じゃない様子に、芳文は思わずまどかの両肩を掴んで問い質す。
「び、病院に魔女が……っ!! マミさんに早く知らせないと!! さやかちゃんとキュゥべえが!!」
今にも泣き出しそうなまどかを、芳文は優しく諭す。
「落ち着いて。役に立つかわからないけど、病院の方はとりあえず俺が行くから。君は巴さんに急いで連絡するんだ」
「で、でも……」
マミと芳文の公園でのやりとりを見ていたまどかは、芳文の申し出に何と答えたものかと戸惑う。
「ほら、急いで。女の子が危ないっていうのに、男の俺が見て見ぬふりなんて出来ない。君の友達は巴さんが来るまで守ってみせるから!!」
「わ、わかりました!! さやかちゃんの事、お願いします!!」
「ああ、わかった!!」
まどかが駆け出すのを確認すると、まどかが来た方向に向かって芳文は走り出した。
「いた!!」
芳文が病院の敷地内で、キュゥべえを抱いたさやかを見つけて駆け寄った瞬間、魔女の結界が展開し、芳文達を飲み込んだ。
「あ、あれ? 先輩、なんでここに!?」
結界の中で芳文の姿を見つけたさやかが驚く。
「さっき、まどかちゃんに会って事情を聞いたんだ。君だけを放っておくわけにいかないだろ」
「君、マミの忠告を聞いたんじゃなかったのかい? いざとなったらさやかは魔法少女になれるんだよ」
キュゥべえの呆れたような言葉に臆することなくきっぱりと芳文は言い返す。
「それでも、放っておけない」
「君もお人よしだね。何のメリットもないだろうに」
「……でも誰かが側にいてくれるのは嬉しいよ。やっぱりキュゥべえと二人だけじゃ怖かったし……」
キュゥべえの言葉を遮るようにさやかがそう口を挟む。
「俺がどれだけ役に立つかわからないけど、巴さんが来るまでは守ってみせるから」
「あはは、なんか騎士様のおでましって感じかな」
「そういう風に思ってもらえるように頑張る。それで、これからどうする?」
「とりあえず、魔女が孵化するかもしれないから、それを見張ろうと思うんだけど……」
「近づいても大丈夫なのかい?」
「僕がいれば、テレパシーでマミは迷わずに僕達の所に来れるから、今のうちに魔女の居場所を僕等で探しておくんだよ」
「なるほど。それじゃ行こうか」
キュゥべえの言葉に頷いて、芳文とさやか達は結界の中を慎重に進み始めた。
☆
――数十分後。
「バ、バカっ……こんな事してる場合じゃ……」
「帰りに解放してあげる。そこで大人しくしてて」
芳文達に遅れて結界に突入したマミとまどか。
マミは何を考えて行動しているのかわからない、謎の魔法少女暁美ほむらを魔法で拘束して、まどかと共にキュゥべえからのテレパシーを頼りに結界の中を進んでいく。
結界の中を進む途中、まどかはマミに魔法少女になるという決意、夢、思いを語る。
マミはまどかの言葉に今まで寂しかった、怖かったと本音を語り、まどかもそれを受け止め二人の間に確かな友情が芽生える。
(体が軽い……。こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて……。もう、何も怖くない!!)
魔法少女になってずっと孤独だった少女は、これまでにない幸せな気持ちで、次々と使い魔達を打ち倒し、結界の中を突き進んでいく。
やがて、扉を開いた先にはさやかとキュゥべえ、そして魔法少女の存在を知ったイレギュラーの少年がいた。
「――どうして、あなたがこんな所にいるの!?」
二度と関わらないと言ったはずなのに、何故? マミが芳文を問い詰めようとするとまどかがマミの腕を掴んで言う。
「ごめんなさいマミさん。私がお願いしたんです。さやかちゃんとキュゥべえだけじゃ心配だったから……」
「……はあ」
まどかの言葉にマミはため息をひとつ付くと、まどかのおでこに人差し指を当てて微笑む。
「しょうがない子ね。お説教はあとでたっぷりするから覚悟してね」
「は、はい!!」
「社君、関わるなって言っておいてなんだけど、今回だけこの子達をお願いしてもいいかしら?」
「ああ。なるべく役に立ってみせるよ」
「お願いね。出来るだけ早く済ませるから」
そう言って、マミが孵化しかけの魔女の元へ駆け出そうとするのを、芳文は声をかけて押し止める。
「巴さん、悪いんだけど、何か武器をひとつ魔法で出してくれないかな。一応、もしもの事があった時の為に」
前回の戦闘時、マミは無数のマスケット銃を出現させていた。おそらく武器をひとつくらい作り出す事など造作もないだろう。芳文はそう考え、マミに武器の製造を頼む。
「……そうね。何かリクエストはあるかしら?」
「出来れば剣を。昔、剣道やってたから」
「了解。剣ね」
マミが両腕を広げて意識と魔翌力を集中させると、マミの両腕の間に両刃の剣が一振り出現する。
「うん。ありがとう」
芳文が確かな重量を持ち、刀身をキラリと輝かせている剣を受け取って、礼を言うと同時に魔女が孵化した。
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