過去ログ - 明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜
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5:ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[sage]
2011/04/03(日) 01:22:37.26 ID:8GUEOo26o
 「な、なんなんだ? ここは一体?」
  余りに突然の状況の変化に戸惑っていると、巴マミがまどかとさやかの二人を連れて異空間を進み始める。
 「あ!? とにかく追いかけてみるか……」
  芳文は慌てて女の子達の後を追う。
 (こんな訳のわからない状況であの子達は何をしようとしているんだ? ……それとも、俺みたいに巻き込まれたんだろうか?)
  とにかく状況がわからない上、女の子達を放っておくわけにもいかない。芳文は急いで少女達の下へと走っていく。

 「うわっ!?」
  あと少しでまどか達に追いつくという所で、突然足場が崩れ、大きな穴へと変わる。芳文は咄嗟に崩れていく地面を思い切り蹴って横に飛び、そのまま地面をごろごろと転がる。
 「あれ?」
 「どうしたの、まどか?」
 「今、男の人の声がしたような……」
 「気のせいよ。鹿目さん、基本的に魔女の結界の中へ入れるのは魔法少女だけなの」
 「気のせい……なのかな……」
  まどかは背後をちらっと振り返りながらそう呟くと、マミとさやかの後に続いて結界の中を進んで行った。

 「あ、危なかった……。なんなんだここは……」
  こんな危ない場所に女の子達だけでいさせる訳には行かない。芳文はそう思い立ち上がると、周囲に気を配りながら、急いで少女達の姿が消えた先に向かって進んでいった。
  まどか達にどれくらい遅れて到着したのだろうか。
  やがて迷路のような狭い通路を抜けた先にある、広大なドーム状の空間に辿り着くと、何発もの銃声が鳴り響いた。
 「なんだ!? 銃声!?」
  慌てて駆け出した芳文の眼前に、まるで得体の知れない不気味に蠢く、ドス黒い肉塊のような怪物を宙に浮いた複数のマスケット銃が狙撃している。
 「なんだ、あれ……」
  あまりの光景に絶句して立ち尽くす芳文。怪物が黒い炎の塊を吐き出す。その黒い炎を軽やかなステップで躱す少女。
 「!? あれは……巴マミ……!?」
  怪物と戦っている人物は芳文のクラスメイトの巴マミだった。
  先ほどまでの見滝原中学の制服ではない、魔法少女服姿の巴マミの姿に芳文は困惑する。

 「な……なんなんだ……。これは……」
  怪物はマミを殺そうとでたらめに炎を吐くが、マミはことごとく躱してマスケット銃を次々と顕現させ、怪物に弾丸を撃ち込んでいく。
 「マミさーん!! がんばれー!!」
 「マミさーん!! がんばってください!!」
  声のした方へ芳文が視線を向けると、芳文の出てきた通路とは別の通路の先、光り輝く壁によって、マミと怪物の戦っているドームと遮断された通路から、さやかとまどかがマミを応援していた。
  よく見るとまどかの腕の中には、白いぬいぐるみのような物が抱かれている。
  マミはまどか達に微笑んでみせると、マスケット銃を次々と顕現させて怪物に弾丸の雨を浴びせる。

  このまま行けばマミの勝利は確実だ。さやかとまどかがマミの勝利を確信して、笑顔でマミの戦いを見守っていたその時、肉塊から鋭く伸びた触手がまどか達を守る光の壁に叩きつけられた。
 「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 「わあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 「鹿目さん!! 美樹さん!! この!! あなたの相手は私よ!!」
  マミは大量のマスケット銃を顕現させて怪物に撃ち込むが、怪物は銃弾を受けて尚、マミを無視してまどか達を守る光の壁を触手で殴り続ける。
  ガシンガシンガシンガシン……!! パリーンっ……!!

 「!? しまった!!」
  触手による連続攻撃により、光の壁が遂に粉砕されてしまった。マミは慌ててまどか達の元へと駆け出すが、別の触手に足を絡め取られて、そのまま宙づりにされてしまう。
 「二人とも逃げて!!」
  マミが叫ぶとほぼ同時に、壁から、地面から、天井から、小型の怪物が湧き出てきて、まどかとさやかの二人を取り囲もうとする。
 「あ、あぁぁ……」
  まどかが怯えた表情でぬいぐるみを抱えたまま、後ずさるのを庇うようにさやかがバットを構えて立つ。
 「このおぉぉぉぉぉぉっ!!」
  バットで小型の怪物に殴り掛かり、何とか一匹を殴り飛ばすが別の一匹がさやかに襲い掛かる。
 「くっそっ!! こっちくんな!!」
  さやかが必死にバットを振り回すが、多勢に無勢。それにただの女子中学生に複数の怪物を倒す事など出来ない。じりじりと怪物達に囲まれていく。
 「さやかちゃん!!」
  まどかが叫んだその時だった。

 「――え?」
  バシュッ!!
  マミを宙づりにして拘束していた怪物から、何の前触れもなく、先端が鋭利に尖った肉の槍がまどか目掛けて撃ち出された。突然の出来事にまどかは呆気にとられた顔で立ち尽くす。
 「鹿目さん!!」
  マミの悲痛な叫び声が結界内に木霊する。
 (……私、ここで死んじゃうのかな)
  高速で飛来する肉の槍を呆然と見つめながら、まどかはそんな事を考える。


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