3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]
2011/04/05(火) 22:13:47.45 ID:8p1vlqVPo
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 遠くでまた上条君が騒いでいる。 
  
 四限目が終わったあとの昼休み、教室の隅の方で自分で作ってきたお弁当を横にぶら下げた学校指定の鞄から取り出している最中に、 
 彼の口癖がまた聞こえてきた。 
 そちらに目を向けるとちょうど上条君が吹寄さんにおもいっきり頭突きを食らってふっとばされているところだった。 
 その近くには既に倒されていた土御門くん達も倒れている。 
 そこから推察すると、どうやらまた吹寄さんの機嫌を損ねることをしたみたいだ。 
 死体のように倒れている三人の前でイライラとした表情をしながら、腰に手を当て威風堂々と立っている吹寄さんはさながら学級帝王HUKIYOSEだった。 
 ちなみにそれは本日二度目の光景で、一度目は彼女の胸について上条君が何か言ったために頭突きを食らったようだ。 
 二度目である今回は彼と離れていたために原因はよくわからなかった。 
  
 「ったく…上条のヤツは…」 
  
 しばらくして騒動の中心人物であった吹寄さんが不愉快そうな顔をしながら私の前の席から椅子だけをこちらに向けて座った。 
 その手にはお弁当箱があり、きっと私と同じく手作りなのだろう。 
  
 「今回は。どうしたの?」 
  
 吹寄さんより一足早くお弁当を食べ始めながらさっきの騒動の原因を尋ねる。 
  
 「ノーコメントで。思い出したらまた腹が立ってきそうだし」 
  
 お弁当の包みを解きながら吹寄さんはさも平静そうに答えているけど、声には少し隠しきれていない怒気が混じっていた。 
 そういえば吹寄さんは上条君のフラグ体質に対して完全ガードを持っているらしくて、彼の周りにいる女の子にしては珍しくフラグが立っていない。 
 そのためか上条君について話をしてもいつも反応が素っ気ない。 
  
 「毎日のように。ケンカしてるね。まるで。昭和の不良同士の友達みたい」 
 「上条当麻はともかくとして私を不良って呼ばないでよ。私はそれなりに真面目な学生なんだから」 
 「……うん。そうだね」 
 「その微妙な間は何なのよ」 
  
 弁当箱を開きながら吹寄さんがツッコミを入れる。弁当箱の中身を覗いてみるとどうやら今日はサンドウィッチのようだ。 
 上条君によると味気がないらしいあのパンは飽きてしまったのだろうか。 
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