9: ◆YwuD4TmTPM[sage saga]
2011/04/11(月) 22:16:23.98 ID:+nr+0qO20
「……ふえ?」
そして、鹿目まどかは目を覚ました。
「……夢オチぃ?」
唇の端から筋を引いていた涎の跡を、袖でごしごしと拭うと、もそもそと身を起こす。
お気に入りのぬいぐるみをぎゅっと胸に抱きしめながら、まどかはぼんやりとした頭で考えた。
変な夢だ。変な夢を見た。
とても幸せなような、とても辛いような、そんなあれやこれやがごちゃまぜになった、そんな夢。
説明するにはたくさんの事がぎゅぅっと濃縮されて雪崩れこんだみたいで、言葉にするどころか考えようとするだけでわけがわからなくなる。
……まずは起きないと。
寝起きの頭で考えたって答えなんて出るはずも無い。眠い頭で勉強しても頭に入るもんかってママも言ってたし。
フワフワとヘリウム風船のように浮ついた思考を引っ張り戻すと、まどかはゆっくりとベッドから降りた。
いつも通りに寝起きの悪いママをちょっと手荒に揺り起こして、いつも通りに着替える。
パパの作った朝食はいつものように洋風で、いつものように美味しくて。
そして今日も今までと同じようにさやかちゃんとの待ち合わせ場所に行くのだ。
それは、ちょっと退屈だけどかけがえのない日常。
昨日もそうだった。
だから今日もまた、いつも通りの一日になる。
そう、思っていた。
何の根拠もないのに、そう思っていた。
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