過去ログ - レイラ「さようなら、真賀田博士」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/09(土) 03:24:50.62 ID:bjkclqc70

「本当に伊藤さんは来られないの?」

「ごめんなー、亜衣ちゃん、どうしてもセ・シーマの他の仕事で、都合があわへんかってん。

夢水センセには、メールと電話で連絡取ってくれるようお願いしておいたから……。

ま、招待状も来てへんことやし。無理に参加することもないやろ。相手方に迷惑かけたらあかんしな」

「ほら、聞いたレーチ。これが大人の対応ってやつよ」

亜衣のドレスをじろじろ見ていた長髪の少年は、突然話を振られて硬直した。赤くなった顔をごまかすように頬を掻き、よそを向いて嘯く。

「先生に招待状が来たんだろ? だったら探偵助手のこの俺も招待されたと考えるのが論理的思考ってやつさ」

「だったらタイぐらいちゃんとしなさいよ、もう……」

「ば、やめろ! 触るな! わかった、わかった自分でできるっつーの!」

「はいはい、もう、ごちそうさまよね」

美衣は車酔いでダウン、いつもならふたりで亜衣とレーチをからかうのだが、真衣ひとりでは少々食あたり気味だった。

「ほななー」

「伊藤さんありがとー」

あの車には何か名前があった気がするが、どうもその分の記憶はこれまでのドライブで振り落とされてしまったらしい。
ぴかぴかのワゴンはすさまじいスピードで埠頭を去って行った。
ひょろ長い体にいつもの黒ずくめの恰好をした教授と、彼を見習ったのであろう少し丈の長いタキシードの背の低い少年は
見送りもそこそこに、係留されている巨大な客船へ向かって歩いていく。

今回、教授は美衣に止められるまでもなく、何故か『パーチー』にいつも着て行く怪獣の着ぐるみを用意していなかった。

「どうして?」と尋ねると、彼はまた、底の知れない風に軽く微笑んで、「今回の目的は、パーティじゃないよ」と答えるのだ。

「真賀田博士に会いに行くことだからね」

「夢水清志郎様ですね。他に、助手の方が一名と、お連れの方が三名……でよろしいですか?」

「保護者です」

亜衣は緊張でそれどころではないうえに、完璧な接客をする豪華客船のスタッフというシチュエーションで自らを保護者と名乗れるほど豪胆ではなかったのだが、

常からしつけ係を自任する美衣は、むしろ誇らしげにそうお姉さんに言ってのけた。

大物なのか何なのか、よくわからない。レーチは助手として認められ、夢水も特に否定しようとしなかったので有頂天になっている。

お姉さんは表情一つ変えることなく、むしろ美衣を無視しているのではないかというほどの鮮やかさで「どうぞ」と一行を促した。

「間もなく、本船は花咲町へ向けて出港いたします」


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