過去ログ - レイラ「さようなら、真賀田博士」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/09(土) 03:39:47.27 ID:bjkclqc70

「すっっ……ごーい!」

りんごが歓声を上げる。華やかながらごてごてしさのない、瀟洒な内装。吹き抜けのフロアを二階テラスがぐるりと囲み、そこここに甲板への扉が開いている。

潮風が吹きこんでくるなか、情報の少ない――そこには文字も記号も、いくらかの抽象絵画の他には存在しなかった――会場。

それが贅沢なものであることが、芸能界にいるクリスには理解できる。

誰かを称えたり、何かを発表したり、そういった目的によるパーティではない。

りんごはパーティに参加する、と親に相談したのだが、ドレスは、母親のものを仕立て直すにも、新しく購入するにもいかんせん時間が足りなかったため、
父親の友人が経営する貸衣装店から格安で何着か借りてきた。主力商品であるアップルパイを中心に詰め、手土産としてりんごもいっしょに挨拶に行ったのは先週のこと。

名月は祖父らによる手作り、なかなかにチャレンジャブルな『現代風アレンジ』の加えられた着物だ。

レイラはこういった場が苦手とは言っても、家柄もいいため、小さいころから参加する機会は多かった。

特に何かを新しく用意する必要はなかったが、それはものに限ってのこと。

こころは、そうはいかない。

「レイちゃん、だいじょうぶ?」

「平気だよ」

「でも、顔色が悪いわ」

魔ペットたちは、ぬいぐるみで通したリョク以外はケージに入って参加し、会場ではなく個室で待っている。

「……」

クリスは少し離れたところで、会場を観察している。レイラを気遣わしげに見るが、りんごと名月に任せることにしたのだろう、少し離れたテーブルへ向かう。



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