32:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:51:40.89 ID:nYXsbXrS0
僕とアスカは境遇が似ていた。
同じように母をヱヴァに奪われた僕に対して、親近感が湧いたのかもしれない。
やたらと僕に構うのも、そのせいだったのかな。
意識のない僕をエントリープラグへ沈めて、わざと起動を失敗させた人物がいる。
一つ一つを照らし合わせて考えると、犯人は自ずと浮かび上がる。
全ては僕の憶測に過ぎないから、真偽は定かじゃない。
でも、僕はこの事で犯人を問い詰める事はしなかった。
○
アスカが運ばれてしまうと、まるで潮が引くように人影が無くなった。
80日の一人ぼっち生活を経て、急にこんな大騒ぎに巻き込まれたので、
僕はしばらく呆然として、しきりに髪を撫でていた。
すると、加持師匠が僕に歩み寄り、言った。
「今回の事で、君には迷惑をかけたな。アスカに代わって礼を言うよ。ありがとう」
「そんな事は良いんです。加地さん、旅に出るんでしょう?一人で行っちゃいけません。
ミサトさんは待ってます」
僕は説得した。
加持師匠は、何故知っているんだろうと驚いた顔をしたけれど、
一瞬のうちに平静を取り戻した。
「ああ、分かってるよ。でも、彼女を危険な目にはあわせられない」
と言った。
「駄目です。男気を見せてください、ついてこいって!」
僕は叫んだ。
加持師匠はにっこりと微笑んで、僕を見た。
「君も面白いなぁ」
○
師匠が去って、ぼんやりと湖畔を見回していた僕は、ベンチに腰かけている綾波さんを見つけた。
眉をひそめ、青い頬に両手を当てている。僕は彼女へ近づいた。
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