過去ログ - 唯「ボディがお留守だよ!」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:29:27.32 ID:d6rmYWQAO
和「悪い冗談もこのぐらいにしてよね。この趣味の悪いセットも纏めて壊してあげる」

 取り押さえられたままの姿勢で掌を黒い足場に添える。
刹那、目も眩むような極光が全てを包み込んだ。

以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:30:05.48 ID:d6rmYWQAO
 このまま壊されるくらいならば、と彼女は自壊する事を選んだ。
散りゆく極光はやがて大地を揺るがす力となり、全ての幻想を虚無へと帰す。術者自身と共に。

和「ほんと、嫌なもの見せてくれるわよね……」

以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:30:34.73 ID:d6rmYWQAO
 やがて闘気は和が御せる範囲を越え、暴走を始める。
地表を喰い破る針の筵が彼女自身をも貫いた。

和「かはっ……!」

以下略



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:31:06.37 ID:d6rmYWQAO
「六道が一つ、地獄道」

 凜とした声が和の耳に鳴り響く。
汗で濡れて額に張り付いた前髪を拭い、彼女は重い瞼を開いた。

以下略



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:31:42.92 ID:d6rmYWQAO
紬「幻覚とはちょっと違うの。対象の五感を全部遮断して心の中に有る負の感情と強制的に向き合わせる。それがこの力の正体よ」

和「…………」

 和は紬の説明を理解するのに時間を要した。
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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:32:15.71 ID:d6rmYWQAO
 たとえば闘気の使い方を口語で説明する事は可能か。少なくとも和には無理だ。
自転車の乗り方、手足の動かし方。
それをするのは簡単だが出来ない人間にそれを説明する時、人はどうしても口ごもってしまう。

和「危ういわね……」
以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:32:46.53 ID:d6rmYWQAO
和「澪もムギも……。唯も、皆私なんかじゃ届かないところまで行っちゃいそうね」

 無意識に震えていた掌を握り、自嘲染みた笑みを零す。
和にはそれが切なく思えたが、どこか嬉しくも思えた。
今まで女帝として桜高の頂点に君臨し続けていたが、強い個性を持つ集団を一人でどうこう出来ると思うなどおこがましいにも程がある。
以下略



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:33:24.99 ID:d6rmYWQAO
 立ち上がり、スカートに付いた砂埃を払うと紬は優しい笑みを和に向けた。

紬「私には私にしか出来ない事があるし和ちゃんには和ちゃんにしか出来ない事がある。それで良いと思うわ」

 自分にしか出来ない事。
以下略



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:33:50.90 ID:d6rmYWQAO
 和の返事を聞いて紬の表情が綻ぶ。
一時は手が届かないのではと思っていた和に認められた。
それを思うと感きわまり、紬は深々と頭を下げた。

和「私も色々学ばせてもらったわ。私にしか出来ない事、私なりにやり遂げてみせようと思う」
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:34:31.89 ID:d6rmYWQAO
 和は紬に背を向けたままギャラリーを一瞥し、爪先で軽く地面を蹴った。
次の瞬間常人では立っていられない程の強烈な揺れが辺りを襲う。

和「私の全力が軽音部全員に破られる日も近いかもね」

以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/05/06(金) 02:35:43.46 ID:d6rmYWQAO
爆風スランプ疾走中
二時まで仕事とか自営業なのにブラック過ぎだろ……


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