過去ログ - 10031号の、ささやかな望み
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/16(土) 04:06:59.46 ID:QJzJFNXt0

(室内の酸素濃度の変化を避ける為にも、目標の沈黙を直接確認する事は愚策。従って壁越しに暫く様子を伺う事にします。と、ミサカは計算し――――――っづぅ…………!!)



扉への注意を怠らずに、そろそろと壁へと移動しようとしたミサカ10029号だったが、到達する事は無かった。
向かう先でもある、先の爆発に揺るぎもしていなかった壁が突然弾けるように砕けたからだ。
それと同時に、室内にもかかわらずいきなり吹いた突風が内気を攪拌する。


倒れた体勢から上半身の瓦礫をどかしたミサカ10029号の耳に、声が届いた。
荒れた場に響くにしては、随分と静かな声だった。



「………………気化爆薬の一種か。確かにベクトルってもンは指向性のもンだから、360度全方位包めば逃げるベクトルの行き場は無くなって見えるかもしれねェな」


静かな足音が近づいてくる。塵が目にはいったらしく、視界はぼんやりとして良好とは言い難い。肝心のゴーグルは衝撃でどこかに飛んでいったらしい。
立ち上がって逃げようにも、彼が吹き飛ばした壁の塊が脚を挟んで抜けない。

絶体絶命の状況下で、一方通行の足音がミサカ10029号のまさに目の前で停止する。
なんとか上半身だけ起こした彼女の数歩先には、確かに学園都市最強の名を持つ『一方通行』の姿があった。



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