過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」3
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52: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/04/20(水) 23:12:24.02 ID:Mt9UmC0G0



「うわ…」


「どうしたんですか?」

「この人…年上なのに…男なのに…私より肌スベスベ…」



佐天は険しい顔つきになると、一方通行の頬を更につつく。
つつくだけでは飽き足らず、手のひらで顔を撫で始めた。緩やかに、そっと、優しく。
まるで、恋人に口付ける為に頬に手を添えるように。


「さ、佐天さん…?」


徐々に真剣味を帯び始めた佐天に不穏なものを感じ取ったのか、絹旗が慌てて声をかける。


「何かさぁ……キスしたら気持ち良さそうな肌してるよね…」


佐天は一方通行に視線を落としたままポツリと零す。
濡れた花びらのような唇が吐き出した吐息が心なしか熱い。

「ちょ、何言ってるんですか!?」
「しぃ〜〜起きちゃうよ。ホラ、絹旗さんも触ってみればいいじゃん」
「え、えぇ、あ…」

おずおずと伸ばした指先に触れる滑らかな手触り。



「……わぁ」


絹旗の口から感嘆の声が漏れる。


確かにスベスベとした肌だ。
この年頃の男には特有の脂っぽさは無く、かといってかさかさの干物のような乾燥した肌でもない。
寧ろ絹だとか、肌触りの良い布の感触に近い。
彼の低い体温がそれを一層連想させた。
ぷりぷりの弾力と柔らかさ、温かさに満ちた想の肌とは根本から異なる。
思わずその感触に止みつきになる絹旗と、私も私もと佐天が再び一方通行の頬に触る。
寝込みを襲っているようにしか見えない光景に美琴が遅れて顔を覗かせた。


「あ〜あ、タオルケットじゃ風邪引くっての」

呆れたような、けれども何処か嬉しそうな笑みを浮かべると、彼女はリビングを素通りして寝室へと足を運ぶ。


暫くして彼女が手にしてきたのは白い毛布。
今日結構冷えるって言ってたしね。そう言ってタオルケットの上から一方通行と想に毛布を被せてやる。


カーペットの上にいくつか詰まれた絵本に目を留めると、美琴は小さく笑った。





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