過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」3
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53: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/04/20(水) 23:15:06.70 ID:Mt9UmC0G0



ブレーメンの音楽隊


幸せの青い鳥


白雪姫


シンデレラ


赤頭巾ちゃん


七匹のこヤギ



読みかけなのであろう、開いたままの絵本は三匹の子豚。
見開きいっぱいに末っ子の子豚がレンガの家を建てているイラストが描かれている。


絵本を読んであげたまま眠ってしまったのだろう。
仲良く顔を寄せて、一方通行が想に絵本を読んであげている姿が容易に想像が付く。



「一方通行さん…絵本読んであげるんだ…」

「結構読んであげてるわよ。打ち止めにもよく読んであげてたって言ってたし」

「何というパパセラレータ」


照れが入った顔で、少したどたどしく、ハスキーな声で読まれる絵本は、存外耳に心地良い。
想におねだりされて、少し戸惑い、まごついた後に、少女の上目遣いの前に結局いつも折れる。
そうして一方通行が渋々読み始めると、美琴は足音を立てぬように飲み物を用意する。



想にはハチミツ入りのホットミルクを。

自分と一方通行には珈琲を。

普段は一方通行が殆ど専門と化している珈琲を淹れる役目は、この時ばかりは美琴の役目となる。


美琴は、淹れ終えた三人分のカップをトレイに乗せてリビングに足を踏み入れた時に目に映る光景が好きだった。
切りそろえた前髪を微かに揺らして、顔を絵本と一方通行の顔を交互に向けている愛しい娘。
そして、少し恥ずかしがりながら、それでも少女が望む絵本を読んであげている不器用な青年。
照れ隠しに青年が棒読みになると、すかさず少女は不満を訴える。すると青年は渋々感情を込めて読み直す。


その光景は、美琴の胸の内を温かくしてくれる。





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