過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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11: ◆ySV3bQLdI.[saga sage]
2011/04/22(金) 00:40:01.72 ID:Nr8ofJqko

 が、数秒経っても衝撃は襲ってこなかった。
 スタッと軽い着地音。目を開くと、男の顔が間近にあった。

「怖がらなくても、女の子の顔を蹴るなんてしないよ」

 相も変わらずニヤついた微笑みを張り付けた顔。
 図星を突かれたことと、侮られた怒りが沸々と湧き上がり、杏子の顔が見事な朱に染まる。

「テメ……――っ!?」

 杏子の表情が怒りに、続いて驚愕に歪む。
 今、ムカつく顔が目の前にある。杏子は当然、殴ってやろうと槍を振り上げた。振り上げようとした。
 しかし持ち上がらない。男の左手は、しっかりと槍の柄を握っていたのだ。
常人を凌駕する自分の、《魔法少女》の腕力が抑え込まれている。

「使い魔を魔女になるまで育ててたんだっけ? でも、そんなことしてると、一般人が犠牲になっちゃうんだぜ?」

「んなこと知るか! あたしにはあたしの事情ってもんがあるんだよ!!」

 不安を覆い隠すように叫んで、杏子は右腕にありったけの力を込める。そうして、ようやく拘束が解けてきた。
ぐぐっと、徐々に槍が持ち上がる。どうやら腕力では勝ってるようだ。
 男の表情が変わる。笑みは消えたが、焦りや恐れは見られない。
杏子はありったけの力を槍に注ぎ、男の腕を引き剥がした。

「おっと――」

 槍が高々と天を衝く。男は振り解かれる前に手を放したので、その行為は隙以外の何物でもなかったが、構わない。
どうせ、こいつは余裕振って反撃する気はないのだ。杏子はそのまま、渾身の力を込めた槍を振り下ろした。
 起死回生の一撃。それすらも男は回避した。





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