過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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668: ◆ySV3bQLdI.[saga sage]
2011/10/26(水) 02:17:37.61 ID:1614KIITo

「はぁっ――!」

 両手で振り上げた槍が零の顎をかすめ、空を切る。まだ一分程度しか動いていないというのに、
いつ訪れるかわからない己の限界と零の動きに注意しながらの全力戦闘は、思う以上に杏子の消耗を早めた。
 すぐさま槍を振り下ろすか、回転しつつ刃で払うか、持ち替えて柄を使うか。如何様にでも追撃はできた。

 しかし、常に緊張状態にあった身体は直後、槍を振り上げたままピタリと硬直し、制御を失う。
脳と肉体を結ぶ神経が断たれたかのように。
 その間、わずか一秒。たった一秒であっても一瞬の判断が明暗を分ける死闘においては致命的となる。
 だというのに、乖離した意識で杏子は狂喜していた。
 何故ならば。

――来た……!!

 狙い通り。零が漆黒のコートを翻し、距離を詰めてきているからだ。
 身体が制御を失っている時間よりも遥かに短い、圧縮された時間感覚の中で。
 注意が己の身体に向かっていた、まさしく刹那。
 零は回避から攻撃へと切り替えていた。

 流石と舌を巻くが、感心してもいられない。

――動け! あたしの身体!!

 弛んだ神経に喝を入れ、今こそ動けと指令を飛ばす。
 零の右腕はすぐ目の前まで迫っていた。

 槍を振り下ろすか?
 いや、間に合わない。リーチが違う。槍は伸縮自在だが、縮めている間に零は勝負を決める。
 考えている時間はない。 
 杏子は槍を振り上げたままの姿勢で、軽く地を蹴った。




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