過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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938: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/02/20(月) 00:44:09.43 ID:rYHTtXRBo

 もしくは、キュゥべえが傍にいたなら契約か。だとしても本末転倒に違いない。
 鋼牙がよどみなく告げていく間、マミは徐々に項垂れていき、表情も窺えなくなる。
俯く肩が震えていた。しかし、今度は恐怖からではない。
 やがて勢いよく跳ね上げた顔に刻まれていたのは――。


「……あなたに何がわかるって言うの!?」


 怒りだった。
 憤怒に歪んだ形相で、きつく噛み締めた歯を鋼牙に剥いている。
鋼牙の忠告は、マミを逆上させるには充分だった。

「この娘たちはもう知ってしまった! 私が巻き込むんじゃない。
もう巻き込まれているのよ、望むと望まざるとに関わらず!」

 渦巻く感情の嵐を解放するかの如く、マミは胸中を吐露していく。
 あまりの勢いに止められる者はいなかった。静まり返った場で、一人興奮状態のマミはまくし立てる。

「今、危険を冒してでも見なくちゃいけない。見ない振りで知らなかった頃には戻れないの!
二人にその気がなくても、素質がある以上は逃れられない。
自分や誰かを守る為に、譲れない願いを叶える為に、危険も不条理も承知で契約する時も来るかもしれないわ!」

 鋼牙を睨み据える怒りの瞳は変わることなく、揺らぎもしない。
それでも両目から涙は溢れ、目尻を伝って流れていた。

 一気に言い放ったマミは息を荒げている。
 食い縛った歯の隙間から息を吐く音だけが部屋を満たす。
 誰もが驚きに言葉を失っていた。
 
 鋼牙も同じ。
 ただし、驚いたのはマミの怒り様にではなく、心の有様に。
 言葉を失ったのは自らの不明故。



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