過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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980: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/03/13(火) 04:02:19.32 ID:KNKF5ZZmo

 鋼牙がマミと共闘しなかった理由もそこに起因する。
 銃と剣という武器の特性上、鋼牙とマミの相性は一見悪くないかのように思えるが、
それは互いに呼吸を合わせられることが前提である。
 事前に入念な打ち合わせをするか、言葉を交さずとも意思の疎通が図れるほどの関係でなければ、
足を引っ張り合うだけ。

 一瞬の逡巡の末、鋼牙は様子見を選択した。
 そう決めさせたのは、何よりもマミの瞳。
 すぐにでも脱出しなければ、散々振り回された挙句に壁か地面に叩きつけられるだろうに、
敵を射抜くギラついた眼光は未だ死んではいない。それどころか一分の揺らぎも見られない。

 マミは振り回されながらも、魔女目掛けて何度も発砲する。
 しかし、そのほとんどが地面を穿つだけに終わる。
 抵抗空しく、マミの身体が壁に叩きつけられる。
壁は衝撃の度合いを示すように大きくへこみ、蜘蛛の巣状にひびが入った。

「マミさん!!」

 観戦していた二人の少女がマミの名を叫ぶ。
 背骨が折れてもおかしくない衝撃。それでも鋼牙は動かない。
 気が気でなかった。二人の敗北が自分たちの死に直結することも今は頭になく、
ただただマミの身を案じていた。
 それしかできなかった。

 再度、逆さ吊りにされたマミ。その表情は穏やかだった。
まどかとさやかに微笑みを向けさえした。
 そこにあるのは諦観ではない、勝利を前にした余裕。
 魔女にも少女二人にもその意図は読み取れず、しかしすぐに理解した。




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