過去ログ - マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」二機目
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◆FnwJR8ZMh2
[saga]
2011/11/25(金) 20:54:20.11 ID:Yw/Uqu8AO
リディ「……」
模擬戦の間中、ずっと声が聞こえていた
本当にささやかで、必死に耳を澄まさなければ聞こえないような小さな声
闘いに呑まれていたグラハムを引き戻した、かけがえの無い声を
それが誰の声かは、解っていた
だからこそ、追わせなかったのだ
リディ「良いよな……ほんと」
風が耳元をすり抜ける
胸の中の靄が抜けていくような気がした
今なら、家もしがらみも捨てて、もっと高く飛べそうだ
掴めそうな気がして、夜空に手を伸ばした
――基地内・グラハム自室――
グラハム「やはり、そこに居てくれたか」
扉の前、中には入らず寄りかかる
金属の板一枚隔てて、彼女はそこにいた
マリーダ『……』
グラハム「やはり……怒っているのか」
マリーダ『約束をしていただいた……故に大丈夫だと安心したのは間違いでした』
グラハム「……」
マリーダ『でも、今はもうそんなことどうだっていい……』
グラハム「マリー、ダ?」
マリーダ『あなたは留まってくれたから――私の声で、戻ってきてくれたから』
マリーダ『今は、それが何よりも嬉しい……』
グラハム「……そうか」
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