839:名無しNIPPER[saga]
2015/10/12(月) 19:29:38.11 ID:j9vVqMjC0
魔王「では、話を始めるとしよう。良いな？」
側近「はい」
魔王「この場の皆も存じているだろうが、大陸連盟が動いている」
魔王「魔の国近海でも連盟の海兵船が幾度も目撃されている」
魔軍中佐「周辺に撒いた海の魔物を掃討しているみたいで」
魔国大尉「しかし魔物にも生殖能力はあるはず。完全な殲滅は不可能でしょう」
黒騎士「否。奴らはこちらへの航路を確保しているに過ぎない」
黒騎士「魔王様の結界が突破されるはずがない」
魔軍大佐「しかし、大陸からの情報では、勇者が遂に結界を突破する方法を突き止めたという」
魔軍中佐「その報告は上がっているな」
魔軍少佐「幾度となく我々の裏工作を邪魔してきた勇者か……」
魔軍中佐「とは言え、その真偽は怪しい」
魔軍中佐「魔の国の結界、我々ですら破壊方法を知らぬと言うのに」
魔国大尉「あれは順当な手順を踏まなければ解除されないもの」
魔国大尉「資格ある門番か魔王様しか解除できぬ」
魔王「その通りだ。国の結界は亜法具バリエスによって管理され……」
魔王「操作方法は魔王家にのみ伝わっている」
魔王「バリエスの所在は我と側近のみが詳しく知るのみ」
魔王「例えこの中に裏切り者がいたとしても、易々とは壊されまい」
魔貴族「……この中に裏切り者がいると示唆しておられるのですか？」
魔王「例えにしてはあり得ぬ話であったな」
魔王「我と側近を敵に回す根性があるならば、それは賞賛に値するが」
側近「裏切りを褒めようなど、あってはなりません」
魔王「良いではないか。そのくらいあれば張り合いも出るだろう」
側近「なりません」
魔王「……相変わらず固いな」
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