7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2011/05/02(月) 17:57:45.45 ID:vZ0FaaUq0
「わたし……ゲームとか、よくわからないですけど、やっていいですか?」
「ダメよ」
黒い少女は、きっぱりと言った。
「いまので定員になってしまったの。途中からならかまわないから、我慢して頂戴」
「……はい」
「一人くらいならいいじゃない」
「あなたは黙ってなさい」
黒い少女の言葉にさやかはムッとした顔を見せるが、渋々と引き下がった。まどかもそれ以上は何も言わず、少しだけうつむいていた。そして、それを見ていたほむらは、胸を締めつけられそうになる。
「さて、それじゃあゲームを始めましょうか」
黒い少女は気にせず、話を続ける。
「ゲームって言っていたけど、コンピューターゲームなの?」
紗瑠が尋ねる。黒い少女は首を横に振り、その問いを否定した。
「そんな小さな物じゃないわ。行くわよ―――」
黒い少女の言葉の意味がわからなかったが、次の瞬間、視界にノイズのようなものが走った。
「やぁ、来たみたいだね!」
少女たちは確かに、炎天下の磯辺にいたはずである。しかし、いま目の前に広がる光景は……海も、磯も、それどこか空すらなかった。
白。白の空間。そこにあるのは壁がどうかもわからない白一色の空間。そして目の前に、ソファと様々な風景を映像のように映し出している巨大な紙のようなものが何枚も天井にぶら下がっていた。
それと、ぴょんぴょんと跳ねまわる白い動物だ。
「ここは神聖なる契約の場所。すべての始まりの地だ」
12人の少女たちの目の前で、白い動物が言った。
「驚かなくていいよ。君たちはもう、ゲームの中にいるのだから」
目の前に動いているこの奇妙な白い動物は何なのだろう? さまざまな疑問が浮かんでいくなか、ほむらはソファに先程の黒い少女が座っているのを見つけた。
「あ、あの……」
「私から話すことはないわ。そこにいる白い動物の話を聞きなさい」
少女は決してこちらを向かず、ソファに座ってうつむいたまま言った。まるで表情を見られたくないように、少女の顔はこちらからは見えない。ほむらは仕方なく白い動物の方へ向くと、いつの間にか動物はさやかと杏子に弄ばれていた。
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