8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2011/05/02(月) 18:01:02.69 ID:vZ0FaaUq0
「こいつなんだ? ウサギ……いやネコか?」
「そもそも何で喋れるの?」
足を引っ張ったり、頬をつまんだり、ポンポンと頭を叩いている。
「やめて、僕をいじめないで!!」
「いじめてねーよ」
しかし嫌がっているようなので、杏子は白い動物を手からパッと離した。急に離されたためか、受け身をとることができず白い動物は頭から床へ激突する。
「ぷぎゅ!?」
「ああ、悪いな」
杏子は悪びれる様子もなく、そう言って形だけ謝る。マミが倒れている白い動物を抱きかかえるが、どうやら目が回っているようで頭をクラクラと揺らせていた。
「ちょっと佐倉さん、少し酷いと思うわ」
「これくらい着地できると思ったんだよ」
「いきなり落とされて着地できる動物がいるハズないじゃない!」
「いや、いいんだよマミ……」
もそりとマミの手から起きあがった白い動物は、杏子から少しだけ離れた場所に立つと、12人に対して満面の笑顔を見せた。
「僕の名前はキュウべぇ。このゲームのプログラムみたいなものだと思ってくれてかまわない……さぁ、僕と契約して魔法少女になってよ!!」
「契約って言っても、そもそもここはどこなのですか?」
キュウべぇの言葉を聞いても、状況を理解できない様子だったマリアが尋ねた。
「マリアさん、さっき言ってたじゃないですかー? ここはもうゲームの中みたいですよ」
「ゲームの中? それでは、バーチャル空間みたいなものなのでしょうか?」
その言葉を聞いて、キュウべぇはマリアにうなずく。
「まぁ、そう思ってくれてもかまわないよ。さて……それよりも」
キュウべぇがそう言うと、いきなり野球の三角ベースのような板が現れる。宙にふわふわと浮いたソレは、ますますこの場所が非現実だという事を思わせる。
「僕と契約して、魔法少女になりたい者は……この板に手を触れて名前を言うんだ」
「触って、名前を言うだけ?」
「そうだよ!」
絵理の質問に、キュウべぇは明るい口調で答える。
「それじゃあ、あたしから!」
さやかが前に出て、躊躇することなく板に手を触れる。
ほむらは気になってソファへ視線を移すが、黒い少女は相変わらずその光景を決して見ようとしなかった。
「美樹さやか」
何が起きると後ろにいた少女たち、そして何よりさやかが固唾を飲んで待つが、とくに何か起きた様子はない。
「まだ契約しただけだからね。さぁさぁ、次だよ次」
「ちぇっ、ちょっと拍子抜けだなー」
不満そうな声をあげるさやかとすれ違う形で、巴マミが前に出る。
「巴マミ」
マミは板ではなく、キュウべぇを見ながら板に触れ、名前を言った。
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