過去ログ - 初春「私があなたを助けます」
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72:87[saga]
2011/06/26(日) 12:19:53.45 ID:8KcjYazA0
「あ……あぁ……!」

生きているのか死んでいるのか、分からない。
そしてもう一枚の翼が動き出そうとしたときに、私は垣根さんの足元へすがりついた。

「もう……やめてください。……垣根さん! それ以上その人たちを……傷つけないで……!」

「……」

だが一枚の翼はそのまま発火能力者の下へと向う。

「垣根さん……! 垣根さん……!」

「……ッ」

翼が動くのをとめた。

「垣根さん、約束したでしょ……? また一緒に買い物に行くって……、今度は……垣根ざんの手袋もがおうって……」

「だから……だから……っ」

いつの間にか涙が溢れていた。
それで私は垣根さんを呼ぶのをやめない。
垣根さんにこれ以上人を傷つけてほしくない……!

「……ぅあ……」

垣根さんの背中の六枚の翼がゆっくりと消えていく。
そして垣根さんはそのままその場に倒れこんだ。

「垣根さん……!」

垣根さんは頭を抑えながら、苦しそうな表情をうかべていた。
やがて苦しそうに絞りだしたような声をあげて。

「……う、うい……はる。ここは……」

「垣根さん……! 大丈夫ですか……?」

「変な夢みてえなの……見てた」

「夢、ですか」

「ああ、その夢っていうのが……」

頭を抑えるのをやめて、垣根さんは能力者たちが倒れているほうをみた。
その瞬間垣根さんの顔が血の気の引いたような、驚愕の表情へ変わっていく。

「こんな感じに……血の海…………だった」


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