688:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/06/24(金) 21:43:36.93 ID:q8Dh3g/5o
QB「…………ハァ」
さやか「何、その、ため息」
QB「半側空間無視」
さやか「……?」
QB「左側の目がよく見えない。キミはそれを、視界の半分が暗いとか、ぼやけているとか、そういう風に思っているんだね」
さやか「何が違うの」
QB「視界そのものが半分ないんだよ」
さやか「恭介は目が見えてたよ!」
QB「見えていた、と、キミにはそう見えていたんだろうね。キミの世界。キミの物語。キミのモノローグが挟まれた、その場所では」
さやか「どういう事」
QB「……彼には、よく向く方向があったのではないかな。病室の窓際のベッド、彼の健常な右半身は、扉側? 窓側?
認識を失している以上、リハビリは『とにかく左を取り戻す』事。注意と学習を繰り返し、把握の仕方を体で覚えるという事。
美樹さやか。思い出してごらんよ。彼は、本当に、正常にものが見えた? まっすぐ座っていた? きちんとものを食べてた?
──キミの願望ではなくて、本当の、事実はどうだった?」
さやか「…………」
QB「こうなるとアヤシイものだ。キミの認識は正確なのかな。彼は左半身の肉体の感覚をも、失認していたんじゃないかい?
本当に、手の感覚が『あんまりない』だけ? 気を抜いた彼が、ベッドから転げ落ちているようなコトはなかった?」
さやか「だって……恭介がそう言った……」
QB「やれやれ。彼のせいか。キミの言う『好き』は、責任を押しつけやすくて好きってコトかい?
それじゃ彼も、事故でどこが傷つき、どんな後遺症があるのか、キミに正しく話さなかったとしても、仕方ないね」
さやか「違うっ!」
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