864:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/17(土) 23:17:24.09 ID:PhQ4JxAeo
命の価値を、尊さを、
大切な人を殺される痛みと憎しみを、
私は人を殺す前から知っていた。
だって、私の母は、殺されているから。
私はその母親を知らないけれど、
母親を殺された兄は、
結局その憎しみを忘れることが出来ず、旅立ったのだ。
だから、あの時に人を殺す事で知らなくても、
いずれは思い出し、そして突き当たっていただろう。
もしかしたらそれは、
既に貴族として立った後、
取り返しの付かないような場所かもしれない。
不幸中の幸いという言葉が浮かぶけれど、
つい笑ってしまう。
そんな風に思う事自体が、今の私には現実逃避だと。
「でも……お父さんは、それでも貴族なんだ。
それを全部背負ってる、貴族なんだ」
「……私は、そんなお父さんの、娘」
「だから、私も背負わないといけないの?」
「娘だから。
貴族だから。
恩恵を受けていたから」
「私は、人を殺さないと、生きていたらいけないの?」
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朝 リベルタ軍演習場
かん、かかんっ、かんっ
ぎぃいんっ
兵士A「っ、あ、ありがとうございました……ふはぁ」
少女「こら、終わったからって床に座らない。
町を一周!」
兵士A「げぇっ、マジっすか!?」
少女「もう一週欲しい?」
兵士A「いってきまぁす……ひぃい」
軍曹「……」じっ
少女「次っ」
兵士B「お、オスッ」
かん、かかっ、ガッ
兵士B「ふふん、伍長だって一応女性ですからね、
つばぜり合いになれば押さえ込む事も……」ぐっ
少女(一瞬力を入れて、相手にも力を入れさせてから、
その間を抜くように膝を折って、重心を崩させてから、
背負い上げて……投げるっ)
ぐわっ、ずだぁああんっ
少女「一応って何よっ、町を三週!」
兵士B「そんな、横暴っすよ!
男用の騎士鎧、普通に着てるじゃないっすか!」
少女「どーせ胸が、胸……っ、四週ね」
兵士B「いってきます……」
兵士達「「「「余計な事言うから」」」」ぼそっ
軍曹「お前らも、きっと聞こえてるぞ」ぼそっ
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