885:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/18(日) 00:31:24.42 ID:BCoR2CL1o
------------------------------------------------
未明 騎士団港
青年 ざっざっざっ
眼帯「おや、お疲れ様です、副分団長。
ずいぶんと勇ましいご様子ですが、
なにか良い事でもありましたか?」
青年「この様子を見て、良い事があったと思うか?」
眼帯「良い事であれば、という願望です」
青年「残念だったな、その願いはかなわん」
眼帯「騎士団本部に戻ってまだ一日なのに、
また厄介事ですか?」
青年「ふん、リベルタからの帰路は、
随分良い追い風が吹くと思ったが、
どうやらそれは戦乱の風だったようだ」
眼帯「戦争がはじまるという事ですか。
しかし、近年の帝国は保守的で、
今のうちに戦力を蓄えて大攻勢――
いえ、十字軍に匹敵する軍団が出るらしいと」
青年「どこの噂かはわからんが当たらずとも遠からずだ。
ゆえに、次の出動はその前座だな。
十字軍遠征を行うという事は、
そのための人が動くという事だ。
人が動けば、糧食、武具、薬、火薬……
多くの資材が必要になる」
眼帯「資材の調達、ではないですね。
予算がない、奪う相手がない、
だから十字軍はまだ動いていない。
そのための補給基地の確保ですか」
青年「そうだ」
眼帯「して、目標は」
青年「イチアリア南方、リベルタ公国の首都にして、
その領土であるリベルタ本島の占領だ。
もっとも、なんだかんだと理由を付けて、
いちおう大義名分を作るための交渉を、
準備してはいるがな」
眼帯「…………なるほど。して、交渉とは?」
青年「リベルタは知っての通り、
本島と、ほど近い孤島で成り立っている。
開発されているのは本島で、
孤島はほぼ完全に未開発だ。必要が無いからな」
眼帯「はい」
青年「本島には一万人程度の居住区と、
彼らをまかなった上で、
多少の輸出ができる程度の麦や野菜の畑、
そして小さいながら牛、鶏、羊を牧畜する農地がある」
眼帯「……詳しいですね」
青年「五年近く前の情報だが、
あの島に関わりがある騎士団員から聞いた話だ」
眼帯「騎士団員ということは、貴族ですか。
小姓じゃないんですよね」
青年「ああ、貴族だ。
だからその情報はおおよそ間違いが無いだろう」
眼帯「で、その交渉とは」
青年「その本島の八割以上、
それも居住区などの大半を提供しろと」
眼帯「む、むちゃくちゃ言いますねぇ……」
1002Res/907.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。