933:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/24(土) 23:40:22.11 ID:Y4SPWTf2o
少女「あー、なるほど」
双子妹「それでも渋い顔をされてるという事は、
食料だけが問題ではないと言う事でありますか?」
公爵「いや、その判断だけは間違いではない。
だが、状況の想定が甘いだろう。
騎士団が奪った土地で何をするか。
おそらくそこを要塞に仕立てて活動するだろう」
男「だろうな」
公爵「その際に、工事に訪れる人間や、
騎士団内部で自給自足がかなうまでの期間、
彼らの食事を誰が保証するかね。
彼らの食事が保証できない場合、
彼らはどのようにして麦を手に入れるか」
少女「……みんなから、奪う」
公爵「そうだ。武力を突きつけて奪った土地だ。
今度はさらに近い場所から、
武力をもって麦を奪う事ができるなら、
しない理由はあるまい」
双子妹「三年有れば、公爵殿の私有地を使って、
生産量を増やすことで対応は……」
公爵「難しいだろう。
元のこの島は、たいそう厳しい荒れ地だった。
私の私有地は、それそのままなのだ。
時間をかければある程度耕作できようが、
それでも、増える人数を考えれば賄えん」
少女「不足する分を、
むこうは自分でもってきたりしないのかな」
男「騎士団の風潮から言えば、期待できん。
西側の国にはほぼ全て言える事だが、
奪った土地の物を取って食らう事で、
軍費をなんとか『足らせて』いるんだ。
特に、最近は寄付金のおちこんでいる騎士団は、
その様な余裕などないだろう」
少女「むうー、結局それじゃ、
港の交易権とか奪ってもつかわないんじゃん」
公爵「それはこちらの手にあるから、
こちらが使っても良いのだがな」
少女「それなら、みんなのご飯をそれで輸入したり!」
公爵「輸出する物なしに、輸入だけするなど。
味方のこない籠城と同じ事だろう」
少女「やれば悲惨になるだけ、なんだね」
公爵「そういう事だ。
加えて、この島が豊かなのは、
交易の仲介として物納を受けているからだ」
少女「港の利用とかの税金を、
お金だけじゃなくて、物でも受けるんだよね」
公爵「うむ。そうして物納された物は、
輸出して外貨に帰る事もあるが、
基本的には島内で安く消費され、
それによって物価の調整や、
収入の少ない人間でも困らないようになっている。
だが、交易が止まれば、
特に金属などは大きく値段がつり上がるだろう」
双子妹「地図をみせてもらって良いでありますか?
うなー……あちゃーでありますよ」
男「どうした」
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