944:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/24(土) 23:46:20.89 ID:Y4SPWTf2o
双子妹「他の人の理由は推察しかできないでありますな。
でも、自分の理由はわかるであります。
自分がお姉様に選択を任せる理由は、おそらく一つ。
お姉様が、人間だからであります」
少女「そんなの、理由にならないよ。
私だけじゃ無くて、双子妹ちゃんも、男も、
狼さんも、お父さんも、家宰さんも、
みんな、人間だよ」
双子妹「動物の分類におけるヒト種の事では、
ないでありますよ。
白髪のおじさまの言う、『人間』であります」
少女「……」
双子妹「お姉様が船に乗ってきたとき、
自分や、みんなのような特殊な事情もなくて、
どういう人なのか、観察していたのであります」
少女「……うん」
双子妹「短い期間でありますが、
見つめていて分かったのは、
いつも走り回っていて、かと思えば悩んでいて、
よく分からないけれど、
不器用な人に見えたのであります」
少女「あはは……」
双子妹「それで、どうしてあんなに不器用なのかと、
白髪のおじさまの前で言ったときに、
『そもそも、それが人間の生き方だろ』と、
言われたのであります」
少女「……」
双子妹「自分の見ている前で、
お姉様はいつもなにかに向かい合っていたであります。
見つめて、考えて、必要ならぶつかって……
分からない時は意見を求めても、
最後まで考えてから踏み出す人だと、
自分は結論に至ったのであります。
その生き方がステキだと、思ったのであります」
少女「……そんなに、すごいことじゃないよ。
ただ向き合うしか出来ない不器用で、
頭が良くないから考えないと追いつかないだけでさ」
双子妹「でも、それは一生懸命だからであります。
見た物、触れた物、感じた事に、
一生懸命に向き合っている結果なのでありましょう。
それが『人間』なのでありましょう」
『他人の命令でしか動けないヤツは、
狗って呼ばれるだろ?
欲に汚いヤツは豚か。
鈍重なヤツは牛って云われるし、
どうしようもねぇのはクズだ』
『流されず、たゆたわず、選択して、歩き抜け。
自分が何をしたいかは自分で決めろ。
食いたい物を食って、悔いたいモノで感じろ。
お前は、領主って機能のモノでもなけりゃ、
従うしかできない兵士でもねぇ』
双子妹「そんな人間らしい一生懸命さが、
さかしらにまとまってしまう自分にとっては、
光のように見えるのであります」
少女「ひかり……?」
双子妹「希望の、光。
まぶしいもの。憧れるもの。
手を伸ばしたくなるもの。
暖かいもの。明るく照らすもの。
言い換えれば、ヒーロー、なのであります」にぱっ
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