945:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/24(土) 23:46:50.90 ID:Y4SPWTf2o
少女(初めて見る、双子妹ちゃんの、年齢らしい笑顔。
赤い顔で、キラキラする目を私に向けて、
本当に、まぶしいものでも見るように)
ぽた……ぽた……
少女「う……、あ……」ぽろぽろ
双子妹「どうして、泣くのでありますか?
自分が失言をしてしまったなら、
謝罪するであります……」しゅん
少女「ち、が……よ。そうじゃ、なくてね」ぼろぼろ
『だれか居るのか?』
『なら、ちょっとついてこいよ』
『日に当たった方が暖かいだろ?』
『俺が、お前を守ってやる』
少女(怖くて、辛くて、不安に押しつぶされそうで、
どうして良いかわからなかった私の手を繋いで、
暖かい光の中に連れ出してくれたあの人が、
私にとって、ずっと、ずっと、ヒーローだった)
双子妹「お姉様……?」
少女「思い出して、気がついたの」えぐ
少女(町で一緒に友達を作ってくれて、
みんなをまとめ上げて、
少しくらいの年齢差なんかきにならないくらい、
とても居心地の良い仲間を、作ってくれた)
双子妹「何に、でありますか」
少女「なんで、お兄ちゃんを追ってたのか。
私にとってお兄ちゃんはずっと、ヒーローで、
私の手を引いてくれた、
その背中に、憧れたんだ」
少女(その憧れはいつからか、
時々遠くを悲しそうに睨むするその人の、
隣に立ちたいという思いに変わっていた。
でも、ある日その背中は、遠くに行った。
遠くに、とても遠くに。
それでも諦めきれなかったから、
足跡をたどるように軍に志願して、
それでもたどり着けなかったから、
探して、島の外にまで出た)
少女「その憧れがずっと、私の背中を押してたんだ。
だからね、ヒーローって言われて、
知らないうちに、あの憧れた背中に、
追いつけたのかなって……」ぐすっ
双子妹「……お姉様が来るまで、
船は、フリークス・パイレーツは、
どこかすねたような集団でありました。
自分達は社会のはぐれ者だと、
暗い空気が有ったのであります。
でも、お姉様が来てから、
狼のお姉様が優しく笑うようになって、
包帯のお兄様はいつもより楽しそうになって、
白髪のおじさまも満足そうなお顔の時間が増えて、
お姉ちゃんは……うるさくなったでありますな」
少女「ちょ、元気になったって言ってよっ」
双子妹「見解の相違でありますな。
……でも、船長殿にヒーローとは、
似合わないでありますよ」
少女「ぷっ……うん、そうだね。
きっと、だから気がつかなかったんじゃないかな。
あの頃に見た背中とは、
随分、変わっちゃってたから」
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