過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/06/03(金) 00:18:52.93 ID:OMcsj5e5o
 銀の刃が煌めく。
 突然で、衝撃で、恐怖で、全く動けない少女を、それは狙う。

上条「フレンダっ!」

 そんな彼女の前に、少年は躍り出る。
 少女をその刃から守るように。
 少女を理不尽から遠ざけるように。

上条「っ」

 地面に赤い斑模様が落ちる。
 夕焼けよりもまだ朱い、生命の糧ともいえる液状のモノ。
 つまり――血。
 その飛沫が飛んで、更に落ちて。
 一歩遅れて、ドサリ、と地面に崩れる。それが何か、などと。言うまでもない。

フレンダ「ぁ…………」

 狂った声が近くに聞こえる。
 怒声、悲鳴が遠くに聞こえた。
 しかし少女の耳にはどちらも入らない。
 彼女が今認識出来るのは、目の前の少年が血溜まりに倒れたという事実のみ。

 少年が身動ぎをする。
 致命傷だ、動かないほうがいい。そう身体が訴えていたけれど、彼は確かめたかったのだ。
 少女に何も危害が及んでいないかを。
 自らの不幸に他人が巻き込まれていないかを。

上条「――――」

 その口は言葉を紡ぐことなく、開かれたまま再び地へと伏す。
 死んだ、と思った。
 その幼い子どもにとってはトラウマに成り得ない事象を目の前に、少女の血の気は引き、視界が暗闇に染まる。


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