過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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[saga]
2011/06/03(金) 00:19:47.36 ID:OMcsj5e5o
卒園式があった。
上条はそこにもいなかった。
フレンダは安堵したと同時に、また恐怖を覚えた。
『もしかしたらこのままもう二度と当麻と会うことは出来ないのではないか』。
『もしかしたら許さないと言われるどころか、自分の過ちを謝ることすらもできなくなるのではないか』。
彼女はそれを振り払う。
一月もしないうちに小学校が始まる。そこでなら、きっと直ぐにまた会える。
そうしたら謝ろう。許されなくとも謝ろう。
そして許されるまで償おう、と。
しかしながら。
そうして迎えた入学式、そこに見知った少年の姿は見えなかった。
視界に入りさえすればわかる。見間違うはずもない。
なのに、少年上条当麻はその場のどこにも存在しなかった。
代わりに一人の男性がそこにいた。
彼は身長の低いフレンダに目線を合わせて尋ねてきた。
『――君が、フレンダちゃんかい?』
上条刀夜と、男は名乗った。
名前で直ぐに少年の父親だと推測できた。
刀夜『当麻から聞いたよ。幼稚園の時に随分とよくしてくれたそうだね、ありがとう』
フレンダ『……けっきょく、とうまは?とうまは、どこにいるわけ?』
フレンダは彼の言葉を受け取らず、逆に言葉をぶつける。
刀夜は少しばかり困ったような顔をしたが、数秒もまたないうちにフレンダの眼をしっかりと捉えて答える。
刀夜『……当麻はね、学園都市に行ったんだ。もう、きっと暫くは帰って来れないだろう』
一瞬、何を言われたのか理解ができなかった。
当麻が学園都市に行った。暫くは帰って来られない。
じっくり数十秒ほど時間をかけて理解し、同時にがん、と金槌で頭を撃たれたような衝撃が脳内を巡った。
彼女にとって、彼がここにいないという事実がそれほどまでに衝撃的だったのだ。
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