過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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882:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/24(土) 00:04:39.56 ID:YYBvUpafo
 どうしようもないな。
 それがフレンダの出した結論だった。

 嘘を告げて、それを信じさせて撹乱させるのは簡単なことだ。
 転校も虐めが原因と言い、それぞれの疑問に矛盾のない答えを示すことだって容易だろう。
 けれど、結局。 それでは意味が無い。
 いや、意味が無いというよりは、無意味、というべきか。
 最終的に同じ結末へ向かうのは火を見るよりも明らかなのだから。

 それなら、選ぶしかない。
 嘘をつくことに意味は無い。 が、その逆には意味がある。
 自分にとっても、きっと、すぐ後ろを歩く幼馴染にとっても。

フレンダ「……ついたよ。 お気に入りの場所。 結局、ここはあまり人が来ないから最適ってわけよ」

 目の前に広がるのは遊具が立ち並ぶ公園。
 上条は軽く園内をぐるりと見渡して、人が少ないことを確かめた。
 そして同時に、目の前の少女の背に話しかけられる。

フレンダ「覚えてる? ここ、フレメアと待ち合わせしてた場所だよ。 それまで二人で話した場所だよ」

上条「……フレメアってのは、さっきのフレンダに似た子のこと……だよな?」

フレンダ「うん。 ……うん。 知ってたってわけよ」

 明言をしたわけではないが、その返事が何よりの答えだ。
 予想をしていた返事に僅か胸を痛め、何を今更、とフレンダは自嘲する。
 そしてまた振り向きもせず、公園内へと入る。

フレンダ「…………」

 懐かしい、と感じてしまう。
 ここは今でもフレメアと待ち合わせている場所だというのに。
 どうしてそう感じてしまったのか。 その理由は、最早わかりきっているが。


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