過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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[saga]
2013/01/30(水) 02:24:45.35 ID:QlOSdYbgo
あーあ、と思いながら当麻は後頭部をポリポリと掻く。
この幼馴染のことだ、恐らくは本命を貰えなかった事をからかってくるに違いないと判断する。
しかし誤魔化しても仕方がない。 弄られる覚悟だけはしておこうと心に決め、そして答える。
上条「本命は一個も貰えなくて、義理が二つだけ。 もらえるだけ幸運だからな、文句は無いけど」
フレンダ「へ、へー……そっ、そうなんだ」
おや、と思う。
いつもなら、『結局、もらえるだけ良かったねってわけよ』ぐらいの言葉は返してきそうなものなのだが。
軽く疑問に思いつつも、それを深く言及したりはせず、上条は言う。
上条「……とりあえず、フレメアのとこ行こうぜ。 早くしないと暗くなっちまうし、あの公園に一人は少し不味いだろ?」
再び背を向けて、歩き出そうとする上条。
その背中に、意を決してフレンダは声を投げかける。
フレンダ「当麻っ!」
上条「? 何――――っと!?」
問いかけるより先に。
それが放物線を描いて飛んできた。
ピンクリボンでラッピングされた透明の袋に入れられているもの。
星やハートの形をとっているそれは、間違いなくチョコレートだった。
フレンダ「義理っ、ってわけよ! 結局、他の人から貰ったならあげなくてもいいかなって思ったけど、持ってても使い道ないしあげるってわけよ!」
再び、上条が聞くよりも速く、フレンダはペラペラと聞いてもいない理由を口走る。
それなりに仲のいい男女間でこんな会話があったなら、きっと男の方は『あれ、こいつ実は俺の事好きなんじゃね?』ぐらい思うのだろう。
がそこは上条当麻、期待を裏切らず、少女の言葉を全て鵜呑みにして、そのままを受け入れる。
それに、先程も言ったとおり、もらえるだけ幸運なのだから。
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