958: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/27(水) 22:50:02.93 ID:ZsHX3CDOo
能力の事は言えないので、口で揺さぶりをかける事にする。
「へェ、「ここいら」で「桐条グループがなンかしてた」ってのを知ってたのに、かァ?」
「そりゃあんたがここの住人に色々聞いて回ってるっていうから、
11年前もここに桐条グループが居たんじゃないかって思っただけさ。
何にせよ、知らないものは知らないよ」
一方通行の言葉に肩を少し振るわせるが、それはパッと見ただけでは分からない程度で、
自身の能力がなければ、誰にも動揺したと言う事を悟らせないだろう。
しかし、一方通行だけはその動揺を感じ取れたので、それだけで十分だった。
(よォやく当たりか……どォせしらみつぶしに回るンだから、オルソラの好きなよォに動いてみたが……)
予想以上に、早くたどり着いた。
とはいえ相手は一筋縄ではいかなそうだ。年の功、とでも言えば良いのだろうか。
いや、そんな事を言ったらオルソラが怒りそうだ。女性に云々とか言って。
それはさておき、畳みかけるなら今だ。
「おいおい、否定するべきは「ここいら」じゃなくて「桐条グループがなンかしてた」って部分だろォが。
それじゃあまるで「桐条グループがなンかしてた」のを知ってるみてェじゃねェか」
言いがかりも良いところだが、女店主が内心動揺しているのを確信している一方通行にとっては、この言葉だけで十分だった。
「……若いくせに随分と動揺を誘うのが上手だね」
まるでギブアップするかのように両手を挙げる女店主に、一方通行は首を縦に振る。
「はン、腹芸の一つも出来ねェよォじゃ、生きていけねェ場所で生きてきたからなァ」
朝飯前だ、と一方通行。
「それで、実験に関して何が知りたいんだい?」
「お前の知っている事全部だ」
「ははっ、そういうことはストレートに聞くんだ。……いいね、気に入った」
女店主は満足そうにうなずくと、話を始める前に一つ一方通行に尋ねる。
「実験に関して聞くと言う事は、『あれ』を知ってるんだろう?」
「あァ、嫌ってほどになァ」
「……教える代わりに、あんたもその事を何処で知ったのか教えてもらうからね」
「言える範囲までならなァ。それ以上は危険だってとこは俺が線引きするが、かまわねェか?」
「あぁ、それで構わないよ。それで……」
チラリとオルソラの方を向く。
空気を読んで黙っていたオルソラを、この会話に混ぜても良いのか、と言う意味を込めた視線と共に。
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