過去ログ - 王様「ハハッ」 ほむら「・・・は?」
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[sage]
2011/05/29(日) 12:51:03.95 ID:Oa5HWEyw0
宙で頭足を反転させ、ほむらは自分を叱咤し、キーブレードを正眼に構えた。・・・此処で死ぬわけにはいかないのだと。・・・あの子を苦しめる全てを、私は滅ぼすのだ・・・と。だから、その一撃さえも防ぎ、再び自分は彼女の敵に剣を向けるだ。ほむらは決意した。
しかし、その決意も空しく、矢はほむらから離れた場所に射られた。ほむらが構えた瞬間に、それは衝撃波で彼女の長髪を巻きあげていただのだ。本来なら彼女は決意の間もなく、死んでしまっていただろう。
岩石の崩落も止んだ頃、地面に降り立ったほむらは第一の異変の後、第二の異変を目の当たりにする。――魔獣が、朽ち果てていきはじめた。いや、幾つかは、時折苦しみながら腕を振るって、何かに抵抗しながら現存しているものもあるが、しかし確かに、他の幾つかの魔獣はその姿を保てなくなり崩壊し、土に還っている。まるでほむらではなく、もっとも恐ろしい何かと彼らが戦っているかのようだ・・・。
ほむらは瞠目して、まどかを見た。そして、粛然と弓を構えて、彼女が矢を放つ姿を見つめる――それは、またもほむらの髪を舞い上げた。
ほむら「・・・まど、か?」
それは魔獣の悲鳴に掻き消されてしまった。
ほむら「――まどかっ!!」
ほむらは叫んだ。彼女を真っ直ぐに見つめ、心の底から彼女へ呼び掛けた。まどかの表情は変わらない。しかし、弓を構える姿がぎこちない。まるで体が言うことを利いていないように、正しい信号を乱すノイズがその体に流れているように、辛うじて放った矢は、まどかの足元という的外れな場所に落ち着く始末だった。
ほむらは走り出した。魔獣の悲鳴が鬱蒼とした路を。彼女の行く手を阻もうとする魔獣は、降臨した王様が殲滅していく。
王様「行くんだ、ほむら!君の思いを、彼女に!こいつらは全部僕に任せて!ハハッ!」
ほむら「まどかぁーっ!」
――時間が停止した。静寂の中、ほむらは進む。顔を涙でぐしゃぐしゃにして、それでも微笑みながら、だけど時折憤怒に顔を締めながら、がむしゃらにほむらは進んだ。
――そして、時は動き出す。
『――なっ!』
ほむら「――お前は、邪魔よ」
ほむらのキーブレードが、まどかの胸に突き刺さった。逼迫した声とは裏腹に、彼女は笑顔を浮かべている。ほむらも、彼女に微笑んだ。
まどか『ごめんね』
まどかの輪郭が失せていき、それは他愛の無い光球へと再び成り下がっていく。ほむらは涙を流しながら、笑みを浮かべた。
王様「ご苦労様」
――彼の声が聞こえると、突然、後ろから引かれた。
何事かといぶかしむほむらに、彼はウィンクし、光球に立ち向かって行った。
ほむらは彼を呼んだ。しかし、彼が振り返ることはなく、やがて彼女の意識は、光に呑み込まれた。
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