過去ログ - 王様「ハハッ」 ほむら「・・・は?」
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[sage]
2011/05/28(土) 12:04:02.67 ID:3NCGTD1N0
互いに背を合わせ、魔獣の群れに突撃する。剣というのはほむらには使い慣れていないので、不安だったが、案外使いこなせるものだとしみじみと思った。――王様のように、魔法を使うことが、自分にも出来るだろうか?
ほむら「・・・ホーリー」
ほむらは頬を紅く染めて呟いてみた。しかし、何も起こりはしなかった。ほむらは顔を憤慨に染めて、魔獣を猛然と駆逐した。
王様「ほむら、君の飛行機に乗って一気に敵の本丸を叩こう。これじゃぁジリ貧だ。」
ほむらと背中を合わせた王様が言った。王様の言うとおりだ。互いに、やや息があがってきている。だというのに、魔獣は無尽蔵に現れる。
王様「跳んでくれ、ほむら。君の足にさがって、僕は奴らを蹴散らす」
ほむらは言うとおりに跳んだ。そして王様は彼女の足首を掴み、地面の魔獣たちに連続して小さな光球を放つ。ほむらたちが近付くと、F-15の風防は開き、宙に浮いて回転しながらバルカン砲を魔獣に放ち、ほむらたちを歓待する姿勢となっていた。
王様「おや?椅子がひとつしかにね。なんだ・・・これは一人用なのか・・・仕方ない、乗ってみたかったんだけど」
ほむら「・・・私の膝の上に、乗る?」
王様「ハハッ!良いのかい、ありがとう!」
ほむら「・・・乗り心地はどう?」
王様「最高だよ、ほむら!」
一度上空にあがり、旋回して、地を一望した。魔獣がうじゃうじゃと犇いている。そして、王様のあけた穴は魔獣が蓋となって、閉じてしまっていた。
ほむら「穴・・・」
王様「良い機会だ。ほむら、君も魔法の練習をしてみたらどうだい?」
王様「さっきは失敗してしまったようだけど」
ほむら「き、聞いてたの!?」
王様「ハハッ!僕が指導するから今度こそ大丈夫さ」
王様「何も難しくは無いさ。もとより君は魔法少女という存在だったのだろう?だったら覚えることなんて何もない、記憶の中に眠っているものを起こすだけだから、すぐに会得してしまうだろう」
王様「思い出すんだ、君が力を使っていた頃を。君が護りたいもののために力を奮っていたときの感覚を。恐れることは何もないさ。心を強く持っている限り、キーブレードは君に答えてくれるよ?」
ほむら「・・・ありがとう」
ほむらは強く思った。かつてがむしゃらに時空を掛けていた頃を。護りたいものを何度も護りきれなかった憤りを。思い浮かべて、目頭が熱くなった。浮かんできたのは彼女の微笑みだった。ほむらの大切な少女の――。
ほむら「・・・ねぇ、王様」
王様「・・・なんだい?」
ほむら「・・・私は、あの子にもう一度会えるのかな?」
王様があの子のことを知るわけがないのに。だけれど、ほむらはそう訊ねてしまった。王様は優しいから、きっと・・・
王様「ハハッ!会えるさ、君がそう願い、それが叶うと強く信じるなら、キーブレードは答えてくれるよ!」
そう言うだろうと思っていた。それはきっと、同情の言葉なのだと。なのにほむらの胸に浮かんだのは空虚感ではなく喜悦であり、瞳に浮かべたのは涙だった。彼の言うとおりなのだと、信じることしかほむらには出来ない。
ほむら「――ありがとう!」
戦闘機の両翼から矢のような光が地面に向かって射出され、戦闘機が充分に侵入できるほどの穴が穿たれた。ほむらは強く念じ、速度をあげていく。穴を塞ごうと、魔獣が中の壁から次々に現れた。ほむらはそれらにバルカン砲や対空ミサイル、光線で迎撃する。しかし、猛攻をかいくぐってきた魔獣が、機体に触れようとした――すると、その魔獣は触れる前に、白い壁に阻まれ、浄化された。ほむらはそれが王様の仕業なのだと直観した。
ほむら「ありがとう、王様」
王様「ハハッ!これくらいお安い御用さ!」
ほむらはさらに加速した。そして、長いトンネルを抜け、ようやく中心部へと辿り着く。
ほむら「此処が・・・」
王様「あぁ・・・そしておそらくは、あれが核だ」
中心に浮かんだ光の球体。それはスペクトルを繰り返して浮かんでいる。環境は地表と相変わらず殺風景で何もない。だが、それこそがあの球体に生命性を想起させた。魔獣も、QBも、あの球体から作り出されたものなのだろうか・・・。
『帰りなさい』
聞こえてきた声に、二人は驚嘆した。
『此処は、あなた方が来るべき場所ではありません』
『帰りなさい』
『今ならまだその僭越を赦してあげましょう』
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