24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)
2011/06/04(土) 21:39:34.19 ID:2dASnnjAO
「え……?」
受話器の向こうから伝えられた事に、はやての顔から笑顔が消えた。
「……あっ、はい。えぇ…」
そのまま呆けたような返事を受話器の向こう側へと投げかける。
「…はい、わかりました。大丈夫だと…思います。」
声色には自信が失われていた。
「はい、じゃあまた…さよなら。」
電話を取る前とは打って変わった沈んだ表情で電話を切り、受話器をそっと置いた。
しばらくはやては電話をじっと見つめたまま動かなかったが、やがてぽそりとつぶいた。
「……うそやろ」
電話にてグレアムから伝えられたのは、諸事情で八神家に金を送れなくなった、というものだった。
それも今日1日という問題ではなく、しばらく続く話らしい。
その諸事情というのも、はやてには難しくて詳しく理解することは出来なかったが、大まかには理解できた。
例の世界的な景気不安に煽られてのことらしい。無いと思っていたことが起こり、はやては驚愕した。
突如立ちふさがった金銭問題。
ふと昨晩のテレビでやっていた不景気諸々のニュースが脳裏に浮かぶ。自殺云々の不吉なワードも芋づる式に回想され、はやての不安を余計に掻き立てた。
まさか経済問題が自分にまで降りかかってくるとは夢にも思わなかったはやてだ。
金は一応残っているが、昨夜の食費に使われ、信用できる額が残っているとは到底思えなかった。
―――昨日食費にあんな使うんやなかったなー………
ため息をつきながらも、とりあえず受話器の置いてある棚の引き出しに入っている、家計簿と昨夜の夕食の食材を買いに言った時に使った財布、鉛筆と電卓を取り出した。
そのままダイニングに持って行き、テーブルの上にそれらを広げる。
まだつけてなかった、食材を買った後の金額を念のためレシートと照らし合わせて計算してみる。
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