453:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[saga]
2012/11/28(水) 15:38:54.67 ID:Hr5gflfAO
そこで突然、ステラの持つ太い角が青緑色に輝いた。フレーションが発動した証拠だ。
角の輝きに応じて、ステラの持つ大量の触手のいくつかが蠢きだした。
通路は狭いから、フレーションを横移動で避けることはできない。
―――なら、あの階段に突っ込むしかないか
はやては構わず通路先の階段へと車椅子を走らせる。
ステラが触手を伸ばした。その切っ先はミサイルのような凄まじい勢いではやての背中へと伸びていく。
はやてはその気配を背中で感じ取り、車輪を漕ぐ腕に更に力を込めた。
―――急げ急げ急げ!!
「やあぁ!!」
叫び声と共に最上段から車輪が離れ、車椅子は宙に浮いた。
そして流線型を描きながら重力に従って落ちていく。
その頭上を、ステラの触手が通っていった。
がしゃん
「くっ」
着地すると、衝撃が否応なしに身体を突き上げた。
それにより肺から空気が押し戻されはしたが、痛みは感じない。
……むしろ今までしたことも無かった激しい運動に、はやては興奮を覚えていた。
すぐさま車体を回転させ、横に続く通路へと車椅子を走らせた。
しかしステラは空中を浮遊していち早くはやての進行方向へと進み、目の前にて待ち伏せをしている。
と、その時黒紫の光が目の前で炸裂した。
「うわっ!!」
思わず顔を伏せて短い悲鳴をあげた。
すぐに通り過ぎ振り向くと、リィンがアセットにフレーションを食らわせていたところだった。
フレーションを食らったステラは吹き飛ぶと、煙をあげながら力無く空中歩道から下の階層へと落ちて行った。
はやては車椅子を止めると、息を切らしながらリィンに向き直った。
「あ、あはっ、ありがとな、リィン」
「いえ。主、お怪我は?」
「全然大丈夫や。なんとか逃げまくったからなぁ」
はやては頬を火照らせながら、笑顔で答えた。
「随分と楽しそうですね、主はやて」
はやての様子に、リィンは少し驚いたようだ。
「いや、あ、そうか?」
リィンに言われて、はやては初めて自分がディールに対して興奮を覚えていることに気付いた。
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