472:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/05(土) 14:04:09.45 ID:qdef4F6AO
「まぁキミのアセットだけがそうなんだから、それが偶然とは考えられないし、何がしかの意味があると考えるのが妥当だね……キミの存在も含めて」
―――私の、存在……
子供で、足が不自由だというハンディを抱えているのにアントレとして選ばれた自分。
アセットであるにも関わらず、本来見ないという夢を見るリィン。
何がしかの意味。
アントレもアセットも異質な存在、そこには一体どんな意味があるのだろうか。
はやてが考え込んでいると、竹田崎はおもむろにベンチから立ち上がった。
「ま、残念ながら俺はキミの力添えになれないねぇ。なにしろ前例が無いから。
だけどキミのアセットの夢については俺も興味がある。
できればキミのアセットのことについて、これからも何か分かったら教えてくれないかい?
勿論、強制じゃないさ。それに教えてくれればちゃんとお金も払うよ」
竹田崎は金歯を見せて笑った。
「……またお金ですか?」
それに対して、はやてはうんざりとした声調で聞き返す。
竹田崎の言い方が、まるで自分が金欲しさにリィンの情報を提供するような意味にも取れたのが、はやてにとっては心外だった。
だが「いやかい?」と聞き返した辺り、竹田崎はそんなはやての心情は全く意に介していない様子だ。
「別に、そういうわけじゃないですけど……」
弁解することも面倒で、言葉を濁す。
しばらくすると「やれやれ」と竹田崎がやや呆れたように呟いた。
「じゃあ俺は用があるから、また何かあったらよろしくね」
竹田崎はそう言い残すと、ミダスカードを使ってどこかに行ってしまった。
後に残されたはやては、「やれやれって、なんやねん……」と苛立ち気味に独り言を零した。
だがはやては分かっていた。
竹田崎の言っていた『アントレもアセットも異質な存在ということにある、何がしかの意味』。
―――……闇の書、か
一体それが、今までの事象となんの関係があるのかは分からない。
分からないが、その根幹に闇の書が関わっているだろうことを、はやては確信していた。
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