193: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:07:30.41 ID:hAzv6ppPo
そしてようやく、動く。
魔獣は斜めにその体を滑らせる。
胴の辺りに刻まれた直線に沿って、二つに分かたれた。
194: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:08:15.44 ID:hAzv6ppPo
心が燃え上がる。
噴き上がる衝動にただ身を任せ。
言葉を吐く。
195: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:08:49.16 ID:hAzv6ppPo
心は静まっている。
この反応は、ある程度覚悟していたから。
思いを伝える。
196: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:09:18.79 ID:hAzv6ppPo
視線は怪訝に変わり、
そして驚愕に変わる。
197: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:10:07.68 ID:hAzv6ppPo
ひとしきり笑った彼女は、
全力の刺突を繰り出す。
198: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:10:42.29 ID:hAzv6ppPo
空いた距離は一瞬で消える。
さらに開く。
あたしの横を駆け抜けた風は、受け流したはずの右手に重い衝撃を残していく。
199: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:11:23.92 ID:hAzv6ppPo
目が付いていかない。
絶え間なく響き渡る金属音だけが、二人の交戦の証として耳を打つ。
わたしには全く理解できなかった。
200: ◆BcaCp9aHJ6[saga]
2011/06/19(日) 17:12:36.05 ID:hAzv6ppPo
第十回行きます
201: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:13:18.85 ID:hAzv6ppPo
「やりすぎ」
拳骨が二人の頭に振り下ろされる。
双方異存はないようで、ただ下を向き俯いていた。
202: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:13:55.59 ID:hAzv6ppPo
「間に合わなかったのね」
「……ええ、でも彼女の願いを聞いた以上、間に合ってもきっと結果は同じだった」
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