過去ログ - 梓「最後の花火に今年もなったなー」
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20:名無しNIPPER[sage]
2011/06/12(日) 22:30:31.28 ID:kTga5cfAO
唯先輩がわたしのところにいたのは、たった二週間程度だった。その二週間はあっと言う間に過ぎてしまったが、その間には、よくこれだけの短い時間に入りきるよなあと驚くほどのたくさんの思い出がつまっていた。
21:名無しNIPPER[sage]
2011/06/12(日) 22:34:40.46 ID:kTga5cfAO
唯先輩はわたしがギターを弾けることを知ると、すぐにわたしを引っ張りだし、一緒に弾かせた。ギターを人前で弾いたことないわたしは最初こそひどく緊張したものの、すぐに慣れてしまった。多分、横で楽しそうにギターを弾く唯先輩を見て、緊張するのが、バカらしくなったのだろう。
唯先輩とギターを弾くのは、他の何より楽しかった。わたしのギターの音と唯先輩のギターの音が重なり、そこに唯先輩の声が加わって、ひとつの歌になる。その感覚がわたしは好きだった。まるで、肩に翼が生えてどこまでも飛んでいける、そんな気がした。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2011/06/12(日) 22:35:03.98 ID:3wsWJZl60
続けたまえ
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]
2011/06/12(日) 22:47:31.84 ID:coyLd1AAO
唯あず分の補給を……!
24:名無しNIPPER[sage]
2011/06/12(日) 22:49:00.50 ID:kTga5cfAO
「唯先輩はすごいですよ。こんなに人が集まるなんて」
連日、たくさんの人がわたしたちの演奏を聞きに来てくれた。そう言うと、唯先輩はジーとわたしのほうを見つめて言った。
「いつもはこんなに人来ないんだよーきっとあずにゃんパワーだ」
25:名無しNIPPER[sage]
2011/06/12(日) 22:52:24.79 ID:kTga5cfAO
「そういえば、唯先輩って恋愛とかの曲って作んないんですか?」
わたしは前から少し気になっていたことを尋ねてみる。
唯先輩とわたしは、2人が知っているような有名な曲をいつも演奏しているのだけど、ときには、唯先輩が作ったオリジナルの曲をわたしが練習して、演奏することもあった。
26:名無しNIPPER[sage]
2011/06/12(日) 22:58:22.71 ID:kTga5cfAO
わたしはこのままだと話が暗いほうに転がりそうだぞ、と思ったのでわざと言った。「だって、‘ごはんはおかず’ですよ」
ぷぷっ、とわたしは笑う。
「わらわないでよっ!あずにゃんのバカぁー」
唯先輩は意味も流れもなく、抱きついてくる。
27:名無しNIPPER[sage]
2011/06/12(日) 23:03:01.94 ID:kTga5cfAO
思い返せば、唯先輩はことあるごとに抱きついてきた。それはちょうど某大国が何かと理由をつけて、どんどん他の国に軍隊を派遣していくのと似ていた。その理由は朝がきたからだったり、カラスがいたからだったり、なんでもありだった。わたしも口では「やめてくださいよ」なんて言ったりしていたが、嫌な気はしていなかった。
ただ、人前でも変わらず抱きついてくるのは恥ずかしかった。観客なんかも面白がって、口笛を吹いたり、歓声をあげたりするから困る。一度なんかはほっぺたにキスをされたこともあった。さすがにやりすぎだと思う。もう一回してくれないかなーと思ったりもしていたんだけどね。
28:名無しNIPPER[sage]
2011/06/12(日) 23:06:37.20 ID:kTga5cfAO
唯先輩はよく自分が行った場所の話をしてくれた。わたしがその話を聞くのは大抵、2人で星をみあげながらアイスを食べているときだった。
わたしたちは毎日のようにそうしたのだけれど、唯先輩の話は尽きることなく、それでいて面白かった。例えば、それは、海で演奏していたら蟹に足を挟まれた話だったり、雪が3メートルも積もった町の話だったりした。
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2011/06/12(日) 23:12:21.36 ID:7L7+bVm/o
何年経っても思い出してしまうなー
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/06/12(日) 23:16:12.56 ID:gl/7/hbSO
>>22
上から目線で物言うなボケ
>>1に失礼だろ
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