過去ログ - もしも「まどか☆マギカ」が2クールだったら
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91: ◆NqJArk5IVdBU[saga]
2011/07/16(土) 21:00:55.56 ID:KDL2y4Vxo
 日付は少し進んで、ワルプルギスの夜の前日。
 ほむらの自宅に、魔法少女四人が集まる。
 ほむらはここで、最後の秘密を明かそうとしていた。

 ワルプルギスの夜を迎えるにあたって、最も注意を払うべきなのはソウルジェムの限界だ。
 今までの経験上、あの魔女を倒すのは不可能ではない。
 しかし、その時は例外無くまどかが犠牲になっていた。
 倒すために魔力を使い過ぎて、ソウルジェムが限界に達してしまうのだ。
 となれば、アイツと戦う前に、限界に達したソウルジェムの最期がどんな事になるのか、
知らせておく必要はあった。
 勿論、戦いの行方以前に、エイミーを納得させるためにやっている事でもあるのだが。

ほむら「本題に入る前に、少し別の話をするわね。
   私が今まで繰り返した時間の中で、今と同じように真実を全て打ち明けようとした事があって。
   その時の私の言葉はあなた達に届かなかった。信じて貰えなかった。
   だからその話の前に、私の素性について話したい。それで少しでも納得して、信じてほしい。
   ……いいかしら?」

ほむら「そう」

 ほむらは皆の同意を確認すると、静かに語り始めた。

ほむら「私の目的は一つ。鹿目まどかを救う事。
   まどかは……」

 ほむらは言葉に詰まって、俯いた。
 声が震えないように、注意深く口を開く。

ほむら「私にとっての、まどかは……」

 また、詰まってしまう。
 気を落ち着かせようと、大きく息を吐く。
 ほむらは気持ちを言葉にしようとすればするほど、平静を保てなくなるのを感じて、
努めて簡素な表現を選ぶ事にした。

ほむら「……まどかは、友達、だったから。
   初めてまどかが死んでしまった時、私はやり直しを願った。
   何度も同じ時間を繰り返して、その度にまどかが死ぬ所を見てきた。
   どうすればまどかを救えるのか、その答えだけを探して、何度も初めからやり直して」

 そこまで話すと、胸の痞えが楽になるように感じた。俯いた顔を上げる。

ほむら「だけど、ホンの偶然だったけれど、たった一人、初めて生き残ったのがあの子なの。
   今は猫になりきって、能天気な事ばかり言ってるけれど、今の私にはあの子が全て。
   繰り返す時間の中で生きた私を、あの子だけは『見て』くれる。
   私はもう二度と、あの子を失いたくない。
   だから今度こそ、絶対にワルプルギスの夜を倒す。
   まどかの力は使わせない」

 あらためて聴衆を見回す。

ほむら「……これで全部よ。これが私の事情。信じてもらえるかしら」

 一同が頷く。

マミ「もっと詳しく聞きたい所もあるけれど……ひとまず置いておくわね。
  あなたという人間を信用するには、今の話で十分」

杏子「そんなツラで言われたら、信じるしかねーよなぁ」

 ほむらの話しぶりには、平静を装った裏に、悲痛な気持ちが見て取れた。
 どこか胡散臭いイレギュラーは、その実、純粋過ぎるくらい純粋で、孤独に苛まれながらも
懸命に戦っていたのだ。
 この場に集まった誰もが、身に詰まされる部分があった。

さやか「あんたが未来人だって事は、今まで一緒に行動して、十分わかってるもの。
   いまさら疑ったりしないよ」

ほむら「そうね。そう言ってもらえると助かるわ」

ほむら「本題に入るわね。
   これから話すのはソウルジェムの最後の秘密。
   インキュベーターが魔法少女を作る本当の理由。
   私達が向き合わなければならない現実よ」


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