過去ログ - 天子「どうせ私なんか、術もアニマもない、人間のクズなのよ!」
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◆ABsCEpS5PQ
[saga]
2011/06/13(月) 20:36:24.26 ID:tIjaTx+e0
紫:
あれは私達の子じゃない。あなたもあれのことは忘れなさい
紫は早足で部屋に入ってくるなり投げ捨てるように言葉を発した。
その怒りに満ちた顔を見るまでもない苛立ちを宥めるように衣玖は言った。
衣玖:
あれ?あれとはてんこのことですか?あんなに可愛がっていらしたのに
儀式がうまく行かなかっただけではありませんか
それを聞いた紫の顔が引き攣る。
先程まで天子だけに向けられていた苛立ちはが自分にまで向けられるのを衣玖は感じ取った。
紫:
だけ、ですって?緋想の剣に触れてもアニマが引き出されなかったのよ
そこらの毛玉や妖精にさえアニマがあるの。あれは毛玉以下よ
私もあれには期待していた、だからこそ裏切られた気持ちなの。許せないの
王家の者にアニマが無いとは、そんなことは許されない。あれは追放する
冷静さを欠きヒステリーに叫んだ言葉に向けるべき反論はいくらでもあった。
だが衣玖はど少なくとも今はどうにもならないことを悟ってしまった。
てんこ12世、紫は尊大ではあったが何をするにも周りの意見は尊重する人物だった。
それは常に正しい選択をするため。
今でさえ冷静ではないものの、何が正しくて何が間違っているか、それは把握しているに違いない。
しかし12世は自分の意思に沿って行動する時は決して意見を曲げたりはしない。
きっと今もそうなのだと、衣玖はその経験と外聞から悟った。
許せない、許されない。そんな言葉が紫の思いを象徴しているようだった。
それでも衣玖は天子と離れることなどできなかった。
衣玖:
アニマの力は無くとも、てんこは生きています
私に宿り、私が育み、私が産み、私が乳を与え、私が育ててきました
あなたにとっては王家を継がせるためだけの存在でしょうが、私にとっては命を分け合った大事な娘です。
捨てることなどできません
衣玖は母親として、既に覚悟していた。
紫:
ならば、毛玉ともどもここを去りなさい!
そのことを。
そして、これから天子と共に背負うことになる全てを覚悟していた。
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