13:1[sage]
2011/06/15(水) 22:25:35.80 ID:DsyMhTCS0
ーーー ハリコフ 2015 3/26 12:20 −−−
その声は、私の耳元にも届いた。
敵の歩兵戦闘車の群れから射撃を受けていた私は、
岩影に隠れながら無線のスイッチを入れる。
「トパーズ2?トパーズ2、返事をしなさい」
返答は沈黙。柏木と呼ばれたトパーズ2からは
もう二度とその声を聞く事が出来なくなっていた。
「トパーズ4よりリーダー、救援は必要かしら?」
「そちらで相手をしている敵と挟撃されるほうがまずい。
こちらはこちらで何とかする」
「トパーズ4、了解」
そうは言っているものの、無線から聞こえる彼の声には、
射撃を受けた時に鳴る警告のアラートが頻繁に混じっていた。
急がなくてはならない。
多くの魔翌力を消耗するため、あまり使いたくはなかったのだが。
右腕の盾を、カチリと時計を動かすように回し、
私の持つ魔法の能力を発揮させる。
時を止める能力。
私は岩陰から飛び出し、素早く盾の中から対戦車ロケットを
取り出す。まだ残っているマルダー2は5両。
それぞれに1発ずつロケットを発射し、止まった時の中で
発射されたロケットは、空中でぴたっと停止していた。
私はこれまでの戦闘の経験から、それが目標に
絶対に当たると確信を持っていた。
そして盾が再び回りだす。
眼前の爆発に自分の仕事を終えたと納得できた私は、
トパーズ隊の向かって行った丘へ向けて駆け出した。
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