過去ログ - 上条「学園都市? なんで俺がそんなところに?」
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第一章 吸血殺し(ディープブラッド)の魔法使い 4
[sage saga]
2011/10/06(木) 21:00:08.31 ID:Jcsfh3HO0
「挨拶もなしか。僕が『おはよう』と言い忘れた時は一時間近く説教をかましたくせに」
口ぶりからすると、知人――しかも、友達クラスの知り合いだったのだろうが、もちろん上条には覚えがない。
「誰、だ……?」
疑問が思わず口から出た途端、少年は眼に殺気すら込めて、不機嫌そうに髪の毛をかき乱し、
「なるほどあのキツネ野郎。何が『問題ない』だ猟犬に追い立てられて死んでしまえ」
普通の日本人なら聞き取れないほど高速の英国語で、さらりと恐ろしいことを言ってのけた。
それから、気を取り直したように、コートからタバコを一本引き出し、口にくわえた。
「ステイル=マグヌス。『必要悪の教会』の魔術師と言えば、君は理解できるかな?」
なんの予備動作もなく、タバコの先端に炎がともる。
タバコをくわえたまま、少年は皮肉気に唇を歪めた。
「権謀術策がうずまく『魔術』という暗部を、君は知識として覚えているはずだ。
さて、ここで一つ取引をしようじゃないか。
君が記憶を失ってまで救ったインデックスを、その暗部に引きずり込まないために、君の右手を貸してほしい」
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