過去ログ - 上条「学園都市? なんで俺がそんなところに?」
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305:第一章 吸血殺し(ディープブラッド)の魔法使い 5[sage saga]
2011/10/09(日) 12:43:09.74 ID:CvkdTUvH0

 思考の泥沼にはまったインデックスの腕を、不意に打ち止めが掴んだ。

「インデックスのお姉ちゃん、あそこにスフィンクスがいるよって、
 ミサカはミサカは訳の分からないことを呟いているインデックスのお姉ちゃんの服を引っ張ってみたり」

「え?」

 そう言って、打ち止めは今まで走ってきた路地とは真逆の出口を指さした。

 その先にいたのは、ピンク色のジャージを着た、黒髪の少女だ。
 上条と同い年か、少し上くらいだろう。

 胸のあたりに件の仔猫を抱いたまま、ぼんやりと中空を見つめている。

「本当だ。……あなたがこの猫の飼い主?
 もしそうだったら、なんで段ボール箱に入れてたか、聞かせてほしいかも」

 インデックスが声をかけると、少女はゆっくりとインデックスと打ち止めの方へ顔を向けた。
 眠たそうな顔で、それでも視線はインデックスたちにしっかりと向けて、少女が呟く。

「あなたたちが来た方から、走ってきたの。
 はまづらが来てくれるまで、何もすることがないから、この子と遊んでた」

「あのね、あなたがその子を飼うつもりじゃないなら、わたしが拾おうかなって思ってるんだけど」

「飼う……のは無理。むぎのの鮭を盗って怒られそうだから。
 だから、はい。あなたにあげる」

 そう言うと、少女は胸に抱いた仔猫をインデックスの方へと差し出した。
 そして、眠たそうな眼を意外そうに見開いて、ことっと首をかしげた。

「……あなたからは電波が来ない?」

「で……でんぱ?」

 一度見聞きしたことは絶対に忘れない。
 それがインデックスの特技だ。
 なので、『電波』という単語は一応知っている。

 その意味は皆目見当がつかないし、理解できないが、
 人間から発せられるものではないことくらい知っている。




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